特急に乗れないのはこんなにつらい!18きっぷ難所ランキング在来線幹線編

特急に乗れないのはこんなにつらい!18きっぷ難所ランキング在来線幹線編

青春18きっぷを使って旅行しているときは基本的に特急列車に乗ることはできません。現在の鉄道ダイヤは、長距離移動には新幹線や特急列車を利用することを前提に作られていますから、意外なところで急に不便に遭遇したりします。

今回は、全国でも利用者が多そうな主要幹線の中から、青春18きっぷ利用をする時に乗れる列車が少なくて苦労する区間を、紹介したいと思います。

北海道に関しては、全線が難所なので、この記事ではあえて取り上げません。

第7位 奥羽本線(福島~山形)

  • 特急 16往復(つばさ)
  • 普通列車 下り6本、上り6本(1日あたり)
  • 板谷峠

山形新幹線の一番利用客の多い区間です。この区間の新幹線は常に混雑しているというイメージがありますが、普通列車の本数はかなり少なくなっています。

特に、福島~米沢間にある福島県と山形県の県境では日常的な利用客が皆無となるため、必要最低限の列車しか運行されません。

板谷峠は新幹線が便利

青春18きっぷでこの区間を通るときは迷わず新幹線ワープしてしまってかまわないと思います。1,530円(乗車券特急券込み)で福島~米沢間を、つばさ号に乗れます。米沢~山形間は普通列車でもそれなりに本数があるので困ることはないでしょう。

また、福島~山形間を移動するときは、仙台経由で移動したほうが早く着く場合があります。

例えば東京を始発列車で出発する場合は、仙台まわりの方が1本早く着きます。

この区間は回避する手段が簡単なので、限られた普通列車に18きっぷ利用者が殺到する場面を見たことがありません。わざわざ時間を合わせて普通列車に乗ってみるのも楽しいと思います。

第6位 長崎本線(博多~長崎)

  • 特急 22往復(かもめ)
  • 普通列車 下り4本、上り6本(1日あたり)

かもめ号は一番多い時間帯には30分おきに走っています。全国的にも運転頻度のかなり高い列車ですので、この区間の普通列車がこんなにも少ないのはかなり意外に思います。

肥前鹿島~諫早いさはや間にある佐賀県と長崎県の県境区間を越える列車がほとんどありません。よくよく見ると、県境を前に折り返す普通列車はそこそこあるので、地元の人はそこまで不便なわけではなさそうですが、長崎を目指す観光客にとっては死活問題です。特に午前中は5~6時間にわたって列車がないので、行程を立てる上でだいぶ困難です。

かもめ号は意外と安く乗れる

なかなか列車がない場合は、佐世保線、大村線に迂回すると早く着くことが多いです。

肥前山口から諫早いさはや間 まで、かもめ号に乗る場合は2,150円(乗車券特急券込み)かかります。

ただ、「かもめ」はネットで購入すると結構安く乗れたりします。「九州ネット早特7」を使えば、博多~長崎間が2,340円(乗車券特急券込み)で乗れます。こうなると青春18きっぷの出番はありません。

参考 ネット限定きっぷ駅・きっぷ・列車予約 | JR九州

第5位 土讃線(多度津~高知)

  • 特急 16往復(しまんと・南風)
  • 普通列車 3往復(1日あたり)

高知は近い割に鉄道で行くのが難しい都市だと思います。たとえば大阪から高知に行くなどという場合でも、飛行機利用が視野に入ってくるくらいです。

そんななかでもJR四国は特急列車網の充実にはかなり力を入れていて、岡山駅から直通で四国各地に特急列車が走っています。

ところが、普通列車の利用客はかなり少ないため、本州では考えれれないくらい列車が少ない区間があります。とくに、四国を横断するこの区間は、四国内でもかなり列車の少ない部類に入ります。青春18きっぷで高知に行こうとするとかなり苦労することになります。

特に列車が少ない区間は琴平~土佐山田の100.0kmと長距離に渡るうえ、途中の阿波池田で乗り換えとなることが多いのも厄介です。というのも、もともと本数が少ない区間同士の乗り換えなので、待ち合わせ時間が1時間を越えることが珍しくありません。最大で2時間近く待たなければならない場合もあります。

それから、最終列車が早いという問題もあります。下りは多度津を16時、上りは高知を15時半に出る列車が最終となります。(正確な時刻は各自お調べください)

また、高松から高知へは日帰りができません。

土讃線は特急に乗るしかない

迂回路はありません。

特急ワープする場合は、阿波池田の乗り換え待ち時間を回避するために、多度津~阿波池田で利用すると効率がいいと思います。

多度津から阿波池田まで特急列車に乗る場合は1,400円(乗車券特急券込み)かかります。

第4位 高山本線(岐阜~富山)

  • 特急 4往復(ひだ)
  • 普通列車 下り5本、上り4本(1日あたり)

青春18きっぷ「だけ」を使って富山県に行く場合はこのルートしかありません。ところが、これがひどく不便なのです。

高山本線は本線という名前がついていますが、実態はローカル線と大差ありません。ほとんどの区間は2~3時間に1本しか列車が走っていません。

そんななかで富山に行きたい場合は高山本線を全線乗らなければならないので、かなり大変といえます。途中の高山と猪谷いのたにで乗り換えとなる場合がほとんどで、乗り換え待ち時間も最大2時間となります。

特急に乗るよりは迂回をおすすめ

特急ひだ号でワープしてもコスパが悪いです。

特別に事情がない限り、迂回すべきです。

名古屋、東京方面から富山を目指す場合は米原から北陸線まわりで行くのが無難です。ただし、金沢~富山間はJR線ではありませんから、別途運賃1,240円がかかります。

とはいえ、高山本線自体がすごく魅力的な路線なので、それを味わうためであれば、あえてこのルートを取るのも良いでしょう。

高山本線は、飛騨川に沿って北アルプスを縫うように走る絶景路線です。

高山駅で2時間待ち合わせの時間がある場合もありますが、その時間は周辺を観光したりと、いろいろ楽しむことができます。

第3位 羽越本線(新潟~秋田)

  • 特急 3往復(いなほ)
  • 普通列車 5往復(1日あたり)

この区間はそもそもそこまで需要があまりないかもしれません。首都圏から秋田に行く場合にルートの選択肢に入りますが、メジャーなルートではありません。

とはいえ、新潟と秋田を結ぶ路線はこれしかありませんから、ここを通らなくてはいけない場合は死活問題です。

この難所の問題点は単純に運行本数が少ないということではありません。途中の酒田で必ず乗り換えなくてはならないのですが、そこの乗り換えがかなり いじわる だというところが問題なのです。

羽越本線全線を通して、少なくとも1日7~9往復は走っているのですが、途中の酒田で乗り換え列車がない場合があって、結局新潟~秋田間を移動できる列車は1日5往復しかないという状況になってしまっています。

乗り換えできる場合でも、酒田で待ち時間がとんでもなく長い場合があって、2時間、3時間待つこともあります。

羽越線はどうしようもない

迂回路はありません。

首都圏方面と秋田方面を行き来する場合は、他にルートがいくらでもありますので、難しい場合はあえてこのルートを選ばなくても良いでしょう。

特急ワープをする場合は、結構長距離乗らないといけない場合が多いです。

特急列車自体の本数もかなり少ないので行程を立てるのはかなり難しいです。とくに、昼間の接続の悪さの改善はどうしようもありません。

最終的には、諦めてワープしないで済む列車を選んで乗るか、一気にワープしてしまうかの2択になってくると思います。

快速海里号はあまり意味がない

ちなみに、新潟~酒田間には全車指定席の快速海里号が走っています。

これを利用するとしても、酒田~秋田間の接続列車がありませんので、全体で利用できる本数は変わりません。

下りに関しては酒田での待ち時間が約3時間から約2時間へと、1時間の短縮効果がありますが、上りに関しては全く時短効果がありません。

とはいえ、青春18きっぷに840円の追加料金で、特急並みの座席を利用することができますので、座席のアップグレードには有用です。

参考 のってたのしい列車 ポータル>海里:JR東日本のってたのしい列車 ポータル:JR東日本

第2位 田沢湖線(盛岡~秋田)

  • 特急 16往復(こまち)
  • 普通列車 下り4本、上り3本(1日あたり)

田沢湖線の赤渕~田沢湖間は国内でも有数の列車の少ない区間です。あまりに普通列車の本数が少ないため、田沢湖線には18きっぷで乗れないものだと思いこんでいたほうが、精神衛生上好ましいかもしれません。

午前中に盛岡~秋田間を移動できるパターンは上り下りとも早朝に1回あるだけです。午後は夕方から夜にかけて下り3回、上り2回チャンスがあります。

北上線が意外と便利

田沢湖線全線を通して列車の本数が少ないので、新幹線ワープする場合は盛岡~大曲で乗る必要がある場合がほとんどです。そもそも雫石に停車する新幹線は1日4往復しかありません。

(ちなみに、新幹線の停車本数が日本一少ないのは雫石駅です。)

盛岡から大曲までワープした場合は2,720円(特急券乗車券込み)かかります。

更新情報

以前、「新幹線Wダブルきっぷ」というものがありましたが、2021年4月に廃止になりました。

代替経路となる在来線の候補は結構あります。

一番の候補になるのは北上線です。仙台・東京方面と秋田方面を行き来する場合、実は田沢湖線経由よりも北上線経由のほうが距離が短いです。北上線も列車の本数が少ない路線ですが、田沢湖線よりはマシで、下り7本、上り6本あります。ほとんどの場合、田沢湖線を利用する場合と遜色ない所要時間で到達できます。

また、首都圏から秋田方面へ向かう場合は、田沢湖線、北上線、陸羽東線、仙山線、板谷峠(奥羽本線)、というように、奥羽山脈を横切る路線が5本あります。この内どれか一つぐらいはちょうどいい時間に都合のいい列車が見つかるのではないでしょうか。

第1位 日豊本線(大分~宮崎)

  • 特急 8.5往復(にちりん)
  • 普通列車 下り1本、上り2本(1日あたり)
  • 途中にある駅名から「宗太郎越」と呼ばれる

宮崎県は九州の中でも一番交通の便が悪い地域です。隣の県に行こうとしても、気軽にはすみません。

宮崎県に入ろうとするルートでは大分方面から入るのがもっともメジャーです。ところが、この区間が問題なのです。

県境をまたぐ佐伯さいき~延岡間には1日1.5往復しか列車がありません。

2018年3月まで、長らく一日3往復の体制でしたが、2018年3月17日のダイヤ改正で半分に削減され、なんと1日1.5往復になってしまいました。

下りは早朝の1本のみ、上りは早朝と夜間の2本です。朝1番の列車は上下線ともに、その列車の始発駅周辺に泊まっていないと乗ることができません。

つまり、日中に移動することが一切できないのです。これは大問題です。いまどき、ここまで列車の本数が少ないのはローカル線でもめったにありません。

さらに言うと、実質夜間しか移動できないので、大分~宮崎間は日帰りができません。隣の県に日帰りで行くことができないというのは大変珍しいです。

迷わず特急をおすすめ

迂回路はありません。

迷わず特急ワープしましょう。

多くの場合、佐伯さいき~延岡間だけ特急に乗れば充分です。1,970円(乗車券特急券込み)かかります。

特急は1時間おきに走っていますので、この区間で特急に乗るだけで、行程は劇的に組みやすくなります。

また、何日かかけて九州を縦断しようとしている場合は、佐伯か延岡で1泊して、朝一の普通列車に乗れば効率が良くなるでしょう。ただし、寝坊して乗り遅れたら、特急に乗る羽目になりますが。

確実に景色を楽しみたいのであれば、一泊して早朝の列車に乗るのがベストです。

まとめ

今回紹介した難所は乗ってみればどこも面白い路線ばかりです。いろいろな知恵を身に着け、ぜひ難所を攻略する楽しみを味わっていただきたいと思います。

難所には青春18きっぷ旅行の醍醐味が詰まっていると思います。

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