あんな
たかく
だだ、難所というか、列車の少ない区間があるから気をつけないとね
大阪~岡山間を青春18きっぷで移動すると2時間40分かかります。青春18きっぷのお得感と所要時間のバランスが取れているので便利な区間です。
ただし、幹線の割に列車の頻度が低い区間があり、青春18きっぷシーズンには大変混雑する区間を通ります。そのため、前提知識無しで乗るとうんざりすること間違いないでしょう。
事前に事情を確認しておいて、快適な旅行にしましょう。
まずは基本的なデータ
ルートは大きく2つに分かれます。
山陽本線をひたすら乗り継ぐルートと、途中で赤穂線を通るルートがあります。
距離は大差ないですが、赤穂線のほうが20分ほど余計にかかります。
ほとんどの場合、山陽本線ルートのほうが早く着きますが、夕方の一部時間帯は、タイミングによっては赤穂線まわりの方が先に着くこともあります。
赤穂線はもともと山陽本線の輸送を補完するために計画されたので、どちらも距離に大差はありません。
実際の距離は赤穂線のほうが短いのですが、運賃計算に使う距離は山陽本線のほうが短いという、ややこしいことになっています。
山陽本線 | 赤穂線 | |
---|---|---|
区分 | 幹線 | 地方交通線 |
営業キロ | 60.6 km | 57.4 km |
運賃計算に 使う距離 |
同上 | 換算キロ 63.1 km |
所要時間 | 約1時間 | 約1時間20分 |
山陽本線のほうが高速で運転できるので、所要時間は山陽本線のほうが短くなっています。
ちなみに、相生~東岡山間は選択乗車ができるので、山陽本線経由の乗車券でどちらのルートを乗ることもできます。
行程は、ばらつきがありますので、平均値と標準偏差を示します。
具体的な時刻は各自で調べてください。
くだり(大阪→岡山)
乗り継ぎパターンは1日あたり、山陽本線経由19本、赤穂線経由16本があります。
所要時間 (早朝) |
3時間15分 ± 15分 |
---|---|
所要時間 (早朝以外) |
約2時間40分 |
列車間隔 | 50分 ± 15分 |
所要時間 (早朝) |
4時間20分 ± 15分 |
---|---|
所要時間 (早朝以外) |
3時間00分 ± 10分 |
列車間隔 | 50分 ± 15分 |
早朝は新快速が走っていないので、通常よりも時間がかかります。
Yahoo!乗換案内で大阪→岡山の時刻を調べる
のぼり(岡山→大阪)
乗り継ぎパターンは1日あたり、山陽本線経由21本、赤穂線経由19本があります。
所要時間 | 約2時間40分 |
---|---|
列車間隔 | 45分 ± 15分 |
所要時間 | 3時間00分 ± 10分 |
---|---|
列車間隔 | 50分 ± 15分 |
岡山→大阪の時刻を調べる
18きっぷが一番有用な距離
片道3時間近くも普通列車に乗るというのはどうか、と考える人もいるかも知れませんが、このくらいの距離が一番18きっぷの効率が高いです。
青春18きっぷ1日分の値段は2,410円です、これは普通運賃でいうと140~160kmの乗車に匹敵します。大阪~岡山間は176.5kmですから、普通にもとが取れる距離です。
片道でこの具合ですから、同じ日に往復利用すれば実質半額になり、かなりお得です。
青春18きっぷは、大阪~岡山間を実用的に往復するためのきっぷと言っても過言ではありません。
片道 | 往復 | |
---|---|---|
青春18きっぷ | 2,410円 | 2,410円(日帰り) 4,820円(宿泊) |
普通運賃 | 3,080円 | 6,160円 |
学割運賃 | 2,460円 | 4,920円 |
新快速が便利すぎる
青春18きっぷでは快速列車にも乗ることができるので、長距離旅行をするならできるだけ快速列車を活用したいところです。
大阪~岡山間では、行程の半分にあたる大阪~姫路間で新快速が利用できます。
残る半分の姫路~岡山間はすべての駅に止まる普通列車しかありません。
大阪~姫路間は新快速が便利
大阪~姫路間は新快速が圧倒的に便利です。
早朝のごく一部を除いて、常に新快速が最速列車となりますので、その他の列車にわざわざ乗る必要はありません。
早朝に大阪から岡山に向かう場合は、新快速が走っていないので、普通電車や快速列車を利用する必要があります。そのため、日中に比べて40分ほど余計にかかります。
たかく
同じく早朝でも、岡山から大阪に向かう場合は新快速が利用できます。
姫路~岡山間は普通列車のみ
大阪~岡山間のうち、半分にあたる姫路~岡山間は、快速列車などがありません。
この区間は、すべての駅に停車する普通列車に乗ることになります。
朝夕は大阪方面から播州赤穂まで直通の新快速がありますが、姫路以西はすべての駅に停車します。ごく一部、上郡まで直通の新快速もありますが、大阪~岡山間の旅行で当たることはありません。
日中はやや変則的な運行
姫路~岡山間では、やや複雑な運行系統となっているのでその点について理解する必要があります。
姫路~相生間では、日中は赤穂線直通列車しか走っていません(上図で黄色の線)。
通常、山陽本線をひたすら乗り継いでいけば着くはず、と思ってしまいますが、うっかりすると赤穂線に入ってしまいます。
また、乗換駅の相生が途中駅となりますので、上り(岡山→姫路)の場合は座るのが難しいです。
あんな
2回乗り換えがあるのね
一方、朝夕は岡山~姫路間の山陽線を走り通す列車があるので安心です。
混雑に注意
東海道本線、山陽本線は日本の大動脈で、どの区間もそれなりの本数が走っているので、青春18きっぷ初心者でも乗りやすい路線です。
ただし、そのぶん利用客も多いので、混雑はある程度覚悟しなければなりません。
特に、上郡~和気間の船坂峠は、東京~博多間でも最も列車の走る頻度が低い区間ですので、特に注意が必要です。
18きっぷのシーズンになると、相生~岡山間のローカル列車に大勢の乗客が集中し、大変な混雑になることもあります。
たかく
大阪→岡山の場合
大阪
大阪から新快速に座るのは難しいです。何本待っても大阪始発の列車は来ませんから、覚悟して乗ってしまうしかありません。
余計に時間がかかってもよいのであれば、快速に乗ってしまうという手もありますが、おすすめはしません。姫路の時点で3本後の新快速に追いつかれるため、45分も余計にかかってしまいます。
もし大阪駅で座れなくても、三宮や神戸で乗客が結構入れ替わるので、そのすきに席を確保するチャンスがあります。
姫路
姫路での乗り換えが一番の勝負になります。姫路から先は姫路始発の列車なので、かんたんに座れると思っていては大間違いです。新快速の12両から、一気に4両編成になりますので、かなりの混雑になります。
これを回避するには、1本前の新快速で到着しておくと良いです。
朝夕の一部時間帯には、姫路で乗り換え不要の列車もありますので、うまく活用すると快適です。
相生
日中は相生でも乗り換えになりますが、ここで座れるかどうかはなんとも言えません。確実に座りたいのであれば、1本前の列車で相生に到着しているのが良いです。
たかく
相生で座れなかった場合は、岡山まで席が空くことは期待できません。岡山まで1時間以上立ちっぱなしになりますから、要注意箇所です。
相生~岡山間は、山陽本線よりも赤穂線のほうが空いているので、座りやすいです。
座るためのおすすめ戦略
相生で1本待って山陽線
相生で1本待つと30分余計にかかります。
姫路~相生間の19分間は座れる保証はありませんが、その他はおおむね効率的です。
姫路で1本待って赤穂線
姫路で1本待つと15分余計にかかります。また、赤穂線に迂回すると20分余計にかかります。そのため、合計で35分余計にかかることになります。
姫路で待っているので、姫路~播州赤穂間は確実に座れます。播州赤穂~岡山間はわざわざ待たなくても、ヘマをしなければ座れるでしょう。
大阪から乗る新快速を除けば、おおむね全区間、座ることは難しくないコースです。
岡山→大阪の場合
岡山
岡山から姫路方面へは、岡山始発の場合と、他の方面から直通の列車の場合があります。直通列車の場合は座るのが難しいかもしれませんので、岡山始発の列車を選んで乗ると良いでしょう。
相生
日中は相生で乗り換えになりますが、赤穂線からの直通なので、座るのは難しいです。
1本次の列車を待っても、始発列車ではないので、座れる保証はありません。姫路までは20分なので、我慢して立って乗車するのがベターです。
もしくは、10分先の網干まで行くと始発列車がありますので、それに逃げ込むことも可能です。
姫路
姫路から大阪方面は座れないということはないでしょう。
新快速は基本的に姫路始発で、12両編成です。
座るためのおすすめ戦略
確実に全区間座るには、赤穂線まわりをおすすめします。この場合、山陽線経由に比べて20分余計にかかります。
車両は快適
大阪~岡山間は全区間転換クロスシート車両で旅行することができます。
トイレは全列車に付いています。
JR西日本としては標準的な設備ですが、青春18きっぷで乗れる列車としては、割と快適な方です。
大阪~姫路間
223系と225系という車両が使われています。
この2つは製造時期の違いが主で、接客設備に違いはさほどありません。
この区間の列車は全部の車両が転換クロスシートです。
ラッシュ時の一部を除いて、ほぼ全ての新快速が12両編成で運転されます。
日中はドア付近にある補助席が使えるので、座りやすいです。
また、快速を利用する場合は、221系という車両もあります。この車両はもともと新快速で使われていたもので、全車転換クロスシートです。
姫路~相生間
姫路~播州赤穂間直通の系統と、姫路~岡山間直通の系統があります。
姫路~播州赤穂間直通の系統は大阪側の車両が、姫路~岡山間直通の系統は岡山側の車両が使用されます。
それぞれ上記、下記を参照してください。
姫路~播州赤穂間直通の列車は4両編成が多いです。朝夕に存在する、大阪方面と直通の新快速は8両編成です(12両編成のうち、姫路で4両を増解結します)。
相生~岡山間
113系と115系という車両が使われています。
この2つは走行機器の仕様の違いが主で、車体や車内の設備に大差はありません。
国鉄時代に製造された古い車両で、リニューアル工事がされているので、車両によって仕様が異なる部分があります。
もともとは固定式ボックスシートのセミクロスシートで製造されましたが、ほとんどの編成がリニューアルで転換クロスシートに改造されています。
車内は223系と似ていますが、ドア付近の補助席はありません。また、窓枠の厚みが薄いので、飲み物などを置くことができません。
3両編成と4両編成があります。一部、7両編成の列車もあります。
(赤穂線)相生~播州赤穂間
大阪~姫路間と同じ車両が使われています。
姫路~播州赤穂間はすべて直通列車なので、相生で乗り換える必要はありません。
姫路~播州赤穂を運転する列車は4両編成が多いです。
朝夕に存在する、大阪方面と直通の新快速は8両編成です(12両編成のうち、姫路で4両を増解結します)。
(赤穂線)播州赤穂~岡山間
113系、115系、117系、213系と、多くの形式があります。いろいろな車両があって説明が多くなりますが、大多数は115系です。
113系、115系は山陽本線で使用されているものと同じです。詳しくは上記を参照してください。
117系は、もともと新快速で使用されていた車両で、2ドア、転換クロスシートです。
213系は、もともと快速マリンライナーで使用されていた車両で、2ドア、転換クロスシートです。
113系は4両、115系は2両と3両、4両、117系は4両、213系は2両と3両、4両があります。ごく一部それ以上つなぐものもありますが、見かけることはあまりないでしょう。
形式名 | ドア数 | 編成両数 | 座席 | 赤穂線 ワンマン 運転 |
---|---|---|---|---|
113系 | 3ドア | 4両 | 転換クロス | 非対応 |
115系 | 3ドア | 2両、3両、4両 | セミクロス 転換クロス | 対応 |
117系 | 2ドア | 4両 | 転換クロス | 非対応 |
213系 | 2ドア | 2両、3両、4両 | 転換クロス | 対応 |
駅貼りの時刻表で「ワンマン」の表示がある列車は、115系か213系の2両編成です。
迂回ルートはマニアックなものしかない
大阪~岡山間は、山陽本線と赤穂線という2つのルートがありますが、これ以外に実用的なルートはありません。
しいて挙げるなら、姫新線、津山線経由というルートがあります。
ただ、このルートは所要時間が倍以上かかる割に、メリットが思いつきません。鉄道好きでどうしても気になる人は挑戦してみてもいいかもしれません。
行程は、ばらつきがありますので、平均値と標準偏差を示します。
具体的な時刻は各自で調べてください。
くだり(大阪→岡山)
乗り継ぎパターンは1日あたり6本あります。
所要時間 (早朝) |
約7時間30分 |
---|---|
所要時間 (早朝以外) |
5時間15分 ± 20分 |
列車間隔 | 1時間50分 ± 45分 |
早朝は新快速が走っていないので、通常よりも時間がかかります。
のぼり(岡山→大阪)
乗り継ぎパターンは1日あたり6本あります。
所要時間 | 5時間30分 ± 30分 |
---|---|
列車間隔 | 2時間10分 ± 1時間 |
代替手段
大阪~岡山間はいろいろな交通手段が利用できます。
最速は新幹線ですが、リーズナブルに移動するなら阪神電車・山陽電車を活用するという方法もあります。
所要時間 | 運賃・料金 | 大阪側 ターミナル |
|
---|---|---|---|
?青春18きっぷ | 約2時間40分~ | 2,410円 1位 | 大阪など |
?JR山陽本線 (定価) |
3,080円(一般) 2,460円(学割) |
||
?新幹線のぞみ号 |
約45分~50分 1位 (乗換なし) |
6,350円(指定席) 5,610円(自由席) 4,990円(自由席・学割) |
新大阪 |
?新幹線さくら号 ?新幹線ひかり号 ?新幹線こだま号 |
約50分~ 1時間20分 2位 (乗換なし) |
6,140円(指定席) 5,610円(自由席) 4,990円(自由席・学割) 3,870円 (【e5489専用】こだま指定席きっぷ) |
新大阪 |
?阪神・山陽電車+ JR山陽本線 乗り継ぎ |
約3時間30分 | 2,820円 | 梅田 |
?高速バス リョービエクスプレス 吉備エクスプレス大阪 |
約3時間前後 (乗換なし) |
3,150円(片道運賃) 2,900円(往復運賃÷2) 2,680円(WEB早割3) 2位 |
大阪駅 なんば など |
大阪~姫路間では、新快速が特急並みのスピードで走るので、新快速と特急の所要時間差はほとんどありません。
上郡~岡山間ではスーパーいなば号が走っていますが、相生~岡山間で新幹線に乗ったほうが安くて速いです。
新幹線
新幹線を使うと1時間前後で到着します。その分料金も高いので悩ましいところです。
インターネットで購入する「【e5489専用】こだま指定席きっぷ」というものを利用すると、こだま号指定席が3,870円で利用できます。利用人数が2人以上から発売され、乗車日の前日までにインターネットで購入する必要があります。
「【e5489専用】こだま指定席きっぷ」の詳細は以下のページで確認してください。
参考 【e5489専用】こだま指定席きっぷトクトクきっぷ:JRおでかけネットまた、日本旅行の日帰りツアーを利用すると、在来線普通運賃並みの値段で新幹線に乗ることができます。日本旅行の店頭で購入するか、ネットで購入してきっぷを郵送してもらう必要があります。
阪神・山陽電車とJR山陽本線
青春18きっぷが使えない場合、鉄道を使って一番安いのがこのルートです。
大阪~姫路間は、私鉄の阪神電車と山陽電車を使い、姫路~岡山間はJRを使います。
阪神梅田駅から山陽姫路駅までは、特急料金不要の「直通特急」というものが走っていて、乗り換えなしで到着します。
山陽姫路駅とJR姫路駅の間は徒歩で3分程かかります。
全線JRで移動するのに比べて1時間ほど余計にかかりますが、260円安くなります。
また、「阪神・山陽 シーサイド1dayチケット」というものを使うと、片道あたり560円安くできます。
「阪神・山陽 シーサイド1dayチケット」は阪神梅田~山陽姫路間が2,000円で1日乗り放題となるきっぷです。青春18きっぷと異なり、利用期日に制限はありません。また、大阪難波からも利用できます。
参考 阪神・山陽 シーサイド1dayチケット1dayチケット・お得なきっぷのご案内/山陽電車大阪~姫路間 のルート |
きっぷ | 片道 | 往復 |
---|---|---|---|
JR | 定価 | 3,080円 | 6,160円 |
青春18きっぷ | 2,410円 | 2,410円(日帰り) 4,820円(宿泊) |
|
阪神 山陽 |
定価 | 2,820円 | 5,640円 |
シーサイド1day チケット |
– | 5,040円(日帰り) |
内訳
阪神大阪梅田~山陽姫路間 1,300円
JR姫路~JR岡山間 1,520円
あんな
高速バス
所要時間3時間前後で、運賃は3,000円程度です。
青春18きっぷよりは高いですが、全席指定で乗換え不要というのがメリットです。