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往復乗車券の乗車変更はわかりづらい?片道へ変更?帰り券だけ変更?

往復乗車券の乗車変更はわかりづらい?片道へ変更?帰り券だけ変更?

あんな

往復乗車券を乗車変更して片道乗車券にすることってできるのかな?

たかく

できるよ。ただし、使用開始前じゃないといけないけど

JRのきっぷは思ったより変更の自由がききます。使用開始前のばあいは同じ種類のどんなきっぷにも変更することができます。

ただ、往復乗車券の変更については、よくわからないことがあるかもしれません。

使用開始前であれば、片道乗車券を往復乗車券に変更したり、往復乗車券を片道乗車券にしたりする変更は無手数料で行うことができます。

乗車変更は使用開始前と使用開始後で条件が大きく違う

まず、基本的事項として、きっぷの使用開始前と使用開始後では変更の手続きが大きく異なるということを理解する必要があります。

使用開始後というのは、乗車駅の改札を入場した後ということです。使用開始後は発駅や有効開始日を変更することができなくなるなど、制約がかなり大きくなります。

一方で、使用開始前の変更はかなり自由です。例えば東京→有楽町のきっぷを大阪→新大阪に変更することだってできます。

メモ
専門的には、使用開始前の変更のことを「乗車券類変更」、使用開始後の変更のことを「区間変更」と呼んで区別しています。

使用開始前の乗車券の変更

使用開始前であれば、普通乗車券同士はどのきっぷにも変更することができます。

普通乗車券というのは、「片道乗車券」「往復乗車券」「連続乗車券」の3種類のきっぷのことを言います。

つまり、片道乗車券から往復乗車券に変更したり、往復乗車券から片道乗車券に変更することも可能です。

それとは違って、乗車券を特急券に変更したりすることはできません。

旅客営業規則 第248条(乗車券類変更)

普通乗車券、急行券、特別車両券、寝台券、コンパートメント券又は座席指定券を所持する旅客は、旅行開始前又は使用開始前に、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、1回に限って、当該乗車券類から同種類の他の乗車券類に変更(この変更を「乗車券類変更」という。)することができる。ただし、次の各号に定める乗車券類の変更については、これを同種類のものとみなして取り扱うことができる。
(1)普通乗車券相互間の変更
(以下略)

JR東日本 旅客営業規則

たとえば、「東京都区内→名古屋市内」の片道乗車券を「東京都区内⇔名古屋市内」の往復乗車券に変更することができます。

同じ区間でなくても大丈夫です。極端な話、「函館⇔札幌市内」の往復乗車券を「福岡市内→鹿児島中央」の片道乗車券に変更することもできます。

往復乗車券は2枚とも無傷で残っていないと「使用開始前」にならない

ただし、往復乗車券は、ゆき券とかえり券の両方が揃っていないと、使用開始前ということになりません。

たとえば、ゆき券はすでに使ってしまったので、かえり券だけ変更したい、といったときは使用開始後の変更とみなされます。

往復乗車券を片道乗車券に変更する場合は、元のゆき券かえり券を揃えて提出し、片道乗車券1枚に変更することになります。

使用開始前の変更の方法

使用開始前に乗車変更をする場合は、差額はきっちりと精算し、手数料はかかりません。

元のきっぷと変更後のきっぷの値段を比較し、不足額があれば支払い、過剰額があれば払い戻しとなります。

この手続きはみどりの窓口で行います。JRの駅であれば全国どこでも取り扱うことができます。

旅客営業規則 第248条 6項(乗車券類変更)

乗車券類変更の取扱いをする場合は、原乗車券類に対するすでに収受した旅客運賃及び料金と、変更する乗車券類に対する旅客運賃及び料金とを比較し、不足額は収受し、過剰額は払いもどしをする。

JR東日本 旅客営業規則

参考 きっぷの変更 使用開始前きっぷのルール:JRおでかけネット

ただし、すでに1回乗車変更を行ったきっぷを再度変更することはできません。そのようなきっぷには「乗変」という文字が印字されています。この場合は1度払い戻して買い直すしかありません。払い戻す場合は220円の手数料がかかります。

参考 きっぷの払いもどし 使用開始前きっぷのルール:JRおでかけネット

使用開始後の乗車券の変更

使用開始後のきっぷの変更は制約が大きくなります。

使用開始後の変更というのはいわゆる「乗越精算」と呼ばれる扱いのことです。専門的には「区間変更」と呼びます。

区間変更で変更できるのは、着駅と経路だけです。つまり、発駅や往復片道の種類を変更することはできません。また、着駅を手前側の駅に変更することもできません(着駅を手前側の駅に変更する場合は「旅行中止」の取り扱いになります)。

旅客営業規則 第249条(区間変更)

普通乗車券、自由席特急券、特定特急券、普通急行券又は自由席特別車両券を所持する旅客は、旅行開始後又は使用開始後に、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、当該乗車券類に表示された着駅、営業キロ又は経路について、次の各号に定める変更(この変更を「区間変更」という。)をすることができる。
(1)着駅又は営業キロを、当該着駅を超えた駅又は当該営業キロを超えた営業キロへの変更
(2)着駅を、当該着駅と異なる方向の駅への変更
(3)経路を、当該経路と異なる経路への変更

JR東日本 旅客営業規則

使用開始後の往復乗車券の変更はゆき券、かえり券を別々に処理する

往復乗車券を使用開始後に変更するときは少し厄介です。

使用開始後の乗車券の変更は券片ごとに行います。ゆき券とかえり券をまとめて変更することはできません。

たとえば、ゆき券を使って旅行開始後、乗越の変更をした場合、変更されるのはゆき券のみです。

さて、かえり券も同じように変更をしたいところですが、往復乗車券としては使用開始後なので、かえり券の発駅の変更はできないことになっています。

なので、ゆき券を乗り越して降りた駅から、かえり券の発駅までは別途乗車券を購入して乗車する必要があるわけです。

旅客営業規則 第242条(乗車変更の取扱範囲)

乗車変更の取扱いは、その変更の開始される駅の属する券片に限って取り扱う。ただし、第248条に規定する乗車券類変更については、変更開始駅は、制限しない。

JR東日本 旅客営業規則

メモ
「第248条に規定する乗車券類変更」というのは、使用開始前の変更のことです。

使用開始後の変更の方法

使用開始後の変更でも手数料はかかりませんが、過剰額の払い戻しはありません。

元のきっぷが100キロ以下または大都市近郊区間内のみを通る場合は、差額を支払います(「発駅計算」と呼びます)。

元のきっぷが101キロ以上で大都市近郊区間内のみではない場合は、元のきっぷの着駅から実際に降りる駅までの運賃を支払います(「着駅計算」と呼びます)。

区間変更の計算方法
原券 変更後の区間 計算方法
101キロ以上 近郊区間内相互発着でない 着駅計算
近郊区間内相互発着 近郊区間内相互発着でない 着駅計算
近郊区間内相互発着 発駅計算
100キロ以下 発駅計算

経路や方向を変更する場合は、変更開始駅から着駅までの運賃を比較し、差額を支払います。過剰額があっても払い戻しはありません。

基本的には降りる駅の精算窓口で精算することになりますが、関係ない駅のみどりの窓口で取り扱うことも可能です。

参考 きっぷの変更 使用開始後きっぷのルール:JRおでかけネット

払い戻しは、かえり券単体でもできる

これまで述べたように、往復乗車券はゆき券かえり券のうち、一部でも使用開始してしまったらすべての券片が使用開始済みとみなされて、変更が大幅に制限されます。

ただし、払い戻しの取り扱いは券片ごとに考える事になっています。

使用開始後の乗車券は、未使用区間が100キロ以下の場合は払い戻すことができませんが、完全に未使用の場合は距離にかかわらず、払い戻しを受けることができます。

往復乗車券の場合は、ゆき券、かえり券のどちらかが使用開始後であっても、未使用の券片を使用開始前として取り扱います。

往復乗車券の変更、払い戻しの条件
ゆき券 かえり券 乗車変更 払い戻し
使用開始前 使用開始前 使用開始前の扱い 使用開始前の扱い
使用開始後 使用開始前 使用開始後の扱い かえり券に限って
使用開始前の扱い
使用開始前 使用開始後 使用開始後の扱い ゆき券に限って
使用開始前の扱い
使用開始後 使用開始後 使用開始後の扱い 使用開始後の扱い

旅客営業規則 第271条(旅行開始前の旅客運賃の払いもどし)

旅客は、旅行開始前に、普通乗車券が不要となった場合は、その乗車券の券片が入鋏前で、かつ、有効期間内(前売の乗車券については、有効期間の開始日前を含む。)であるときに限って、これを駅に差し出して既に支払った旅客運賃の払いもどしを請求することができる。この場合、旅客は、手数料として、乗車券1枚につき220円を支払うものとする。

JR東日本 旅客営業規則

メモ
「乗車券の券片」というのは、ゆき券、かえり券、それぞれ別個に考えるという意味です。

入鋏にゅうきょうというのは、きっぷにハサミを入れる、すなわち乗車駅で改札を入場するという意味です(ハサミのことを漢字で「鋏」と書きます)。

参考 きっぷの払いもどし 使用開始前きっぷのルール:JRおでかけネット

かえり券の区間を短縮したい場合

かえり券単体を乗車変更する場合は、使用開始後という扱いになってしまうので、区間を短縮することができません。

ただし、かえり券で入場する前であれば、払い戻しを受けることができますので、一度払い戻しをしてから改めて買い直すという方法が取れます。

払い戻す場合は、変更の場合と違って手数料220円がかかります。そのため、元の乗車券の代金と、短縮後の乗車券の代金の差が220円以上ある場合は払い戻したほうが良いです。そうでない場合は乗らない区間を捨てたほうがお得です。

例えば、「湯河原⇔東京」の往復乗車券の帰りに湯河原まで行かず、小田原で旅行終了する場合を考えてみます。

東京~湯河原間は1,660円、東京~小田原間1,490円ですので、差額は170円です。この場合は変更せずにそのまま乗車したほうがお得です(かえり券を一旦払い戻して買い直すと、1,660円-220円=1,440円が払い戻されて、1,490円を購入するので50円の損)。

たかく

乗車券の着駅まで乗らずに、途中の駅で放棄することは何ら問題ありません
メモ
ちなみに、片道運賃の差額が220円以下になるのは、どちらも100キロ以下の場合だけです。

一方、この乗車券で、帰りに横浜までしか乗車しないことになったとします。

この場合は、東京~横浜間は470円ですので、かえり券を払い戻して買い直したほうがお得です(1,440円払い戻されて、470円を購入するため、970円が手元に残る)。

往復割引はだいぶ捨てても元が取れる

601キロ以上の往復割引がある往復乗車券の場合は、片道だけ払い戻すと割引が解除され、相当の差額が徴収されますので注意が必要です。

例えば、「岡山⇔東京都区内」の往復割引乗車券をかえり券だけ払い戻すことを考えてみます。

岡山~東京都区内間の片道運賃は10,480円、往復割引運賃は18,860円です。かえり券だけ払い戻す場合は、往復割引運賃18,860円から、すでに使用したゆきの分の片道運賃10,480円を差し引き、さらに手数料220円を差し引いた8,160円が払い戻し額です。(18,860円の半額である9,430円から220円を差し引いた額が払い戻されるわけではありません。)

この乗車券で、帰りに新大阪までしか乗車しないことになったとします。

このときにかえり券を一旦払い戻して買い直すと、東京都区内~大阪市内の8,750円を改めて払うことになります。そうすると、払い戻し額よりも支払額のほうが590円も高くなってしまいます。この場合は、何も変更せずに乗車したほうが得だということになります。

あんな

大阪~岡山間は176.5キロもあるのに、捨てたほうが安いのね。びっくり!

連続乗車券の変更方法は往復乗車券と同様

乗車券には「片道」、「往復」のほかに、「連続」というものも存在します。

これは、片道にも往復にもならない乗り方で、片道乗車券2枚分で成立する経路で、第1券片の着駅が第2券片の発駅となる場合に発売されます。

連続乗車券の乗車変更の方法については、往復乗車券と変わりありません。

「ゆき券」を「連続1」、「かえり券」を「連続2」に読み替えてください。

連続乗車券って何?どういうメリットがあるの? 連続乗車券って何?どういうメリットがあるの?

まとめ

使用開始前であれば、片道⇔往復の変更はもちろんのこと、区間や日付を変更することは自由自在。ただし変更できるのは1回のみ。

使用開始後は着駅と経路の変更のみ可能で、過剰額の払い戻しはされない。

往復乗車券はすべての券片が揃っていないと使用開始前ということにならない。

ゆき券を使用開始後は、かえり券の発駅を変更することはできない。

ただし、かえり券が未使用の場合は、かえり券だけ払い戻すことはできる(手数料220円が必要)。

あんな

かえり券が未使用でも、かえり券単体では発駅を変更できないのは気をつける必要があるね

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