東京~名古屋間の移動に青春18きっぷを使う人は多いと思います。時間は約7時間もかかりますが、2,410円で移動できるというのは大きな魅力です。
ところが、青春18きっぷが使える期間は1年の中でも限られた期間の中だけです。そのシーズン以外の時期に格安で旅行するにはどうしたら良いのか解説したいと思います。
キーは私鉄利用と「休日乗り放題きっぷ」
モデルケースとして、土曜日早朝に東京を出発し、昼頃名古屋に到着。1泊して、翌日曜日に東京に帰るというパターンで考えてみたいと思います。
まず、東京から小田原へは小田急を使いましょう。この区間はJRより小田急のほうが圧倒的に安いです。
次にJR東海の区間ですが、「休日乗り放題きっぷ」というものがあります。これは静岡県周辺のJR東海線が1日乗り放題で2,720円というものです。具体的には、東海道線の熱海~豊橋間と、御殿場線、身延線が1日乗り放題になります。青春18きっぷが使えない期間中の東海道線の移動に大変重宝します。
参考 青空フリーパス/休日乗り放題きっぷお得なきっぷ詳細情報|JR東海最後に、愛知県内に入ってからの移動は名古屋鉄道(名鉄)が安くて便利です。豊橋~名古屋間の乗車券が2枚セットになった割引きっぷ(なごや特割2土休日)がありますので、これを有効活用しましょう。名鉄線は特急や快速特急などにも追加料金不要で乗ることができます。
参考 なごや特割2平日・なごや特割2土休日電車のご利用案内 | 名古屋鉄道ところで、小田原から熱海まではJR東日本の区間を乗らなくてはなりません。多少時間に余裕があるのであれば、小田急線を新松田で降りてしまえば、JR東海の松田駅が隣接しています。ここから休日乗り放題きっぷを使い始めれば、この分の運賃をさらに節約できます。
まとめると
新宿~新松田 小田急線 786円(ICカード運賃)
新松田~沼津~豊橋 JR東海(御殿場線・東海道線) 2,720円(休日乗り放題きっぷ)
豊橋~名鉄名古屋 名古屋鉄道線 780円(「なごや特割2土休日」のうち1回分)
となり、4,286円で東京から名古屋まで移動できてしまいます。
もし日帰りで強行する場合は、復路にも同じ「休日乗り放題きっぷ」が使用できますので、その分が浮いて、片道あたり2,926円にまで下がります。
青春18きっぷの2,410円は確かに最強ですが、それが使えない期間でもこれだけ安く旅行することができます。
(ちなみに、18きっぷで日帰り往復するときは片道あたり1,205円です)
モデルコース
実際にこの方法で旅行をすると、東京~名古屋間が大体7~8時間くらいで移動できます。
往路(土曜日)
新宿7:51→新松田9:14 小田急線 急行
松田9:28→御殿場10:04 御殿場線 普通
御殿場10:07→沼津10:40 御殿場線 普通
沼津10:55→静岡11:51 東海道線 普通
静岡12:03→浜松13:15 東海道線 普通
浜松13:20→豊橋13:55 東海道線 普通
豊橋14:02→名鉄名古屋14:51 名鉄線 快速特急
復路(日曜日)
名鉄名古屋16:03→豊橋16:56 名鉄線 特急
豊橋17:02→浜松17:38 東海道線 普通
浜松17:51→沼津19:59 東海道線 普通
沼津20:18→松田21:41 御殿場線 普通
新松田22:01→新宿23:20 小田急線 急行
これはあくまで一例です。実際に旅行される際は各自で時刻をお調べの上、時間に余裕を持って行動して下さい。
掲載したダイヤは2017年6月時点のものです。
応用編:熱海を経由して時短
御殿場線を使わずに熱海を経由すると、片道あたり523円余計にかかりますが、30分くらい時間短縮できます。
新宿~小田原 小田急線 891円(ICカード運賃)
小田原~熱海 JR東日本(東海道線) 418円(IC・きっぷ同額)
熱海~豊橋 JR東海線(御殿場線・東海道線) 2,720円(休日乗り放題きっぷ)
豊橋~名鉄名古屋 名古屋鉄道線 780円(「なごや特割2土休日」のうち1回分)
合計4,809円
さらに910円払って小田急線のロマンスカーに乗るのも良いですね。
豊橋~名古屋間の名鉄線の特急、快速特急は追加料金不要で乗れますが、特別車も連結されています。この特別車は、運賃に加えて360円の料金で利用できます。これはJRで言うところの普通車指定席のようなものです。
豊橋から乗る場合は、始発駅なので座れない心配はさほどありませんが、名古屋は途中駅なので、確実に座りたい場合は特別車両券(ミューチケットと呼びます)を買って乗ると良いでしょう。
参考 特別車両券(ミューチケット)電車のご利用案内 | 名古屋鉄道ちなみに、一般車はロングシートと転換クロスシートが混在しています。特別車はリクライニングシートです。
きっぷの買い方
この方法を使うときには、きっぷを1箇所でまとめて購入することはできません。
休日乗り放題きっぷ
エリア内のJR東海の窓口で発売しています。エリア外で購入することはできません。
松田駅、豊橋駅では普通に窓口で購入できます。乗り換えの合間に購入することになるので、くれぐれも時間に余裕を持って予定を立てるようにしましょう。豊橋駅では指定席券売機でも発売しています。
また、熱海駅で購入しようとしている方は注意が必要です。
熱海駅で購入する際は、在来線改札内の新幹線乗り換え口の横にある窓口で購入する必要があります。在来線改札外にはJR東日本の窓口しかありません。もしも一旦改札外に出てしまったら、改札口で事情を説明すれば通行証をもらえるはずです。
国府津駅にはJR東海の窓口が無いため、国府津駅でこのきっぷを入手することはできません。
なごや特割2土休日
名鉄名古屋駅、金山駅、豊橋駅の名鉄線券売機で購入できます。
豊橋駅では、名鉄線とJR線の乗り換えをする時に、一旦改札口を出なくても済むような構造になっていますが、このきっぷは改札外の券売機でしか販売していないため、一旦改札口を出る必要があります。
まとめ
青春18きっぷのシーズン外の旅行は結構快適です。18きっぷシーズン中の混雑がウソのように、のどかな東海道線に乗ることができます。
さらに、私鉄にも色々乗れて楽しいので、普段18きっぷでしか移動しないという人でも、たまには挑戦してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、豊橋~名古屋間の名鉄線はJRの新快速や特別快速に負けじと、かなり飛ばします。
御殿場線経由のほうが安いというのも面白いですね。
注意点
この方法は「休日乗り放題きっぷ」がキーになっていますので、平日には使えません。