あんな
たかく
東京~新潟間を青春18きっぷで移動すると約7時間かかります。途中で極端に列車の少ない区間を通りますが、あらかじめ調べておけば初心者でも乗りこなせます
ですが、よくよく考えて使わないと思わぬ失敗や、残念な旅行となってしまうことも多いので、よく事情を調べてから行うようにしましょう。
最後に運転されたのは2014年春でした。
もくじ
まずは基本的なデータ
ルートは1本道ですが、3つの路線を通ります。
東京~高崎間が高崎線、高崎~長岡間が上越線、長岡~新潟間が信越本線です。
宮内は長岡の一つ東京寄りの駅です。宮内駅で信越本線と上越線が合流するため、上越線の線路は宮内駅までですが、列車はすべて長岡駅まで乗り入れます。
行程は、ばらつきがありますので、平均値と標準偏差を示します。
上野~新潟間で計算しています。
一番本数の少ない区間で、スキーシーズンのみ運転の普通列車があります。そのため、季節によって利用できる列車の本数が変わります。
具体的な時刻は各自で調べてください。
くだり(東京→新潟)
夏季
乗り継ぎパターンは一日あたり5本あります。
所要時間 | 6時間50分 ± 30分 |
---|---|
列車間隔 | 3時間10分 ± 1時間20分 |
冬期・春季
乗り継ぎパターンは一日あたり8本あります。
所要時間 | 6時間40分 ± 30分 |
---|---|
列車間隔 | 1時間50分 ± 50分 |
のぼり(新潟→東京)
夏季
乗り継ぎパターンは一日あたり4本あります。
所要時間 | 6時間50分 ± 15分 |
---|---|
列車間隔 | 3時間20分 ± 20分 |
冬期・春季
乗り継ぎパターンは一日あたり7本あります。
所要時間 | 6時間50分 ± 15分 |
---|---|
列車間隔 | 1時間50分 ± 40分 |
日帰りは可能、1泊なら余裕
青春18きっぷの旅行で片道7時間というと、ギリギリ実用的な日帰りができる範囲に入ります。
始発列車で出発して最終列車で帰ってくると、現地での滞在時間は4~5時間程度確保できます。とはいえ、夏季は上りの最終が早いので、東京から新潟に日帰りで往復する場合は、現地に3時間半しか滞在できませんので要注意です。
ただし、帰りはほぼ全区間夜間になってしまうので、精神的にきついです。
現地で1泊以上するのであれば、全く焦ることなく行動できます。
もしくは、帰りは新幹線や夜行バスを有効活用するという手もあります。
列車の本数が極端に少ない区間に注意
このルート特有の注意点として、極端に列車の少ない区間を通る、ということがあります。
群馬県と新潟県の境界を通る区間の上越線は1日に5往復程度しか列車が走っていません(水上~越後中里・越後湯沢間)。1本乗り遅れると次の列車まで3時間以上、間が空くことになります。そのため、列車の時刻をあらかじめ調べておかないと乗れません。
この区間はスキー場が多いので、冬期から春季にかけては季節運転の普通列車が増発されます。それでも2時間以上運転間隔が開くので要注意です。
また、この区間の最終列車がかなり早いので注意が必要です。夏季の上りは18時台に最終が出てしまいます。これに間に合うためには新潟駅を15時ごろ出ないといけません。
あんな
都合が悪ければ新幹線で切り抜けよう
水上~越後湯沢間で運悪く何時間も列車がない場合は、この区間で新幹線に乗ってしまうというのも一つの手です。
青春18きっぷでは新幹線に乗ることはできませんが、別に乗車券と特急券を買えば新幹線に乗ることができます。
新幹線に乗る場合は、高崎~越後湯沢間で乗ることになります。
この区間は乗車券と自由席特急券をあわせて、3,560円かかります。18きっぷ1日分より高いですが、これはやむを得ません。
新幹線に乗れば1時間半から3時間半程度の短縮になりますから、それを考えるとそこまで高い買い物ではないと思います。また、新幹線であれば1時間に1~2本は走っているので、待たずに乗れます。
ちなみに、高崎~越後湯沢間には、Wきっぷやトクだ値などの割引きっぷはありません。
ゼロから解説!青春18きっぷで新幹線ワープをする方法快速列車の恩恵はほぼありません
青春18きっぷでは快速列車にも乗ることができるので、長距離旅行をするならできるだけ快速列車を活用したいところです。
高崎線や信越本線にも快速列車が走っているので、それを利用すれば快適に旅行できるような気がします。ですが、あまり期待はしないほうが良いです。
どちらにしても普通列車と全く同じ車両が使われますので、快適性に差はありません。
ですので、乗る列車が快速列車かどうかを気にする必要は全くありません。
東京~高崎間は普通列車が早い
東京~大宮間では普通列車が結構な数の駅を通過運転します。普通列車の止まらない駅は京浜東北線を利用することになっています。そのため、実質的に普通列車が快速的な役割を持っています。
高崎線の快速列車は、上野東京ラインの快速「アーバン」や湘南新宿ラインの特別快速があります。これらの列車は途中で1本だけ追い抜くことが多いですが、せいぜい5分位しか早く着きません。
また、湘南新宿ラインの快速は、さいたま新都心に止まらないだけで、ほぼ普通列車と同じ停車駅です。
上野東京ライン | 湘南新宿ライン | |
---|---|---|
普通 | 東京・上野・尾久・赤羽・ 浦和・さいたま新都心・大宮 大宮~熊谷間は各駅に停まる | – |
快速 | – | 新宿・池袋・赤羽・浦和・大宮 大宮~熊谷間は各駅に停まる |
快速アーバン | 東京・上野・赤羽・浦和・大宮 大宮~熊谷間は6駅通過 | – |
特別快速 | – | 新宿・池袋・赤羽・浦和・大宮 大宮~熊谷間は5駅通過 |
※熊谷~高崎間はすべて各駅に停車します
また、平日の夕方から夜間にかけて通勤快速というものもあります。通勤快速はだいぶ停車駅は少ないですが、アーバンとほぼ同じ所要時間で走ります。
高崎~長岡間は快速なし
高崎~長岡間の上越線には、快速列車などはありません。
ほくほく線直通の列車で途中の駅を通過するものがありますが、東京~新潟間の旅行では利用できません。
長岡~新潟間の快速は当てにしない
信越本線の快速はそこそこ停車駅が少ないですが、途中で普通列車を追い抜いたりすることはありません。
そもそも、快速は1日2往復しかなく、上りに関しては新潟~東京間の旅行で乗れる時間に走っていません。
そのため、たまたま乗れたら乗るという程度のものと考えておくのがよいです。
JR東日本にしては車両は恵まれている
JR東日本では、ロングシートの車両が多く、青春18きっぷでの旅行でも長時間ロングシートに乗ることを覚悟しなければいけません。
そんな中で、東京~新潟間は、わりあい恵まれた部類だと思います。100%ロングシートを覚悟しなければならないのは群馬県内の一部くらいで、ほとんどの区間でボックスシートに乗れるチャンスがあります。
運転間隔がかなりあきますので、気軽に途中下車はできませんが、トイレは全部の列車についていますのでその点は安心です。
東京~高崎間
E231系とE233系という車両が使われています。この2つは製造時期の違いが主で、接客設備に違いはさほどありません。
10両編成の列車と15両編成の列車があります。
15両編成の列車は、途中の籠原駅で連結・切離しを行い、高崎駅を発着するのはすべて10両編成となります。そのため、切り離される11~15号車の方に乗ってしまわないように気をつけてください。
座席はほぼロングシートですが、編成中の一部車両にボックスシートがあります。また、全列車にグリーン車が連結されています。
群馬県内は車両に恵まれていないので、座席にこだわりがある人はこの区間でグリーン車に乗ると良いです。
グリーン料金は平日1,000円、土休日800円です。
15両編成の列車の場合は10両の基本編成と5両の付属編成が連結されます。10号車の隣が11号車です。このとき、E231系とE233系の区別はなく、別々の形式が連結されることもあります。
高崎駅を発着するのは10両の基本編成のみです。途中で切り離される5両の方に乗ってしまわないように気をつけてください。
G車=グリーン車
?=トイレ
←熱海・東京 | 高崎・前橋→ | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
セミ クロス |
セミ クロス |
ロング シート |
G車 | G車 | ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
? | ? | ?※ | ?※ |
※6号車と10号車のどちらか一方にトイレがついています。
←熱海・東京 | 高崎・前橋→ | |||
---|---|---|---|---|
11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
セミ クロス |
セミ クロス |
? |
←熱海・東京 | 高崎・前橋→ | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
セミ クロス |
セミ クロス |
ロング シート |
G車 | G車 | ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
セミ クロス |
セミ クロス |
? | ? | ?※ | ? |
※6号車にトイレがついていない編成もあります。
←熱海・東京 | 高崎・前橋→ | |||
---|---|---|---|---|
11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
セミ クロス |
セミ クロス |
? |
高崎~水上間
高崎~新前橋間の一部の列車を除いて、211系という車両が使われています。
211系は4両編成の列車と6両編成の列車があります。
座席は全車両ロングシートです。通勤電車タイプの車両なので、少々つらいところです。トイレは付いています。
ただし、景色は抜群に良いです。利根川上流部の河岸段丘や渓谷沿いに走るので飽きません。
水上~新潟間
水上~新潟間はE129系という車両が使用されています。
1車両の半分がロングシート、もう半分がボックスシートという珍しい作りになっています。
編成両数は2両から6両まであります。
水上~長岡間は2両の列車と4両の列車が半々くらいです。長岡~新潟間は4両編成の列車が多い傾向にあります。
2両編成の列車にあたってしまうと、かなりの混雑となることもあります。しかし、現地に行ってみないと、どの列車が2両編成かどうかわかりません。
長岡~新潟間では一部115系という古い車両が使われる列車もあります。
115系はすべての車両にボックスシートがある、セミクロスシートです。
たかく
食事のために途中下車する駅は
列車の本数が厳しいため、途中下車してうかうかしているひまがない場合が多いです。そのため、列車の中で食べられるものを買い込んで出発すると良いです。列車を降りて食事ができる駅は限られています。
東京~新潟間では、高崎や長岡で途中下車すると良いでしょう。これらの駅では駅前が繁華街になっていますので、食事場所には困りません。
高崎と長岡には改札内コンコースにそば屋があります。
水上は観光地らしい商店街がありますが、ゆっくり見て回るひまはないことが多いです。コンビニやそれに類するものはありません。
たかく
迂回ルートはマニアックなものしかない
関東と新潟県を結ぶ路線は上越新幹線と上越線しかありませんので、基本的にはルート選択の余地はありません。
ただし、上越線以外のルートも使えないわけではありません。
東北本線と磐越西線を経由するという方法があります。
このルートは片道9時間以上かかります。実用には向きませんが、1泊以上する場合で行きと帰りで気分を変えたいときに使えます。
会津若松で途中下車して観光する事ができるので、それ目当てでも面白いですね。
日帰りで1周する場合は丸一日乗りっぱなしになります。18きっぷが1日分余っていて、どこにも出かけるあてが無いときなどにやると面白いかもしれません。
代替手段
東京~新潟間は新幹線が圧倒的に便利です。その分値段もかなり張りますので、悩みどころです。
リーズナブルな移動手段としては高速バスがあります。
青春18きっぷ利用を検討しているのであれば、高速バスも検討してみると良いでしょう。
所要時間 | 運賃・料金 | |
---|---|---|
?青春18きっぷ | 約7時間 | 2,410円 2位 |
?新幹線とき号 | 2時間 1位 | 10,760円(指定席) 10,230円(自由席) 9,140~9,670円(トクだ値) 9,480円(週末パス・指定席) 9,080円(学割・自由席) 8,950円(週末パス・自由席) 6,980~7,520円(お先にトクだ値) |
?高速バス | 約5~6時間 2位 | 約2,000円~6,000円 1位 |
週末パスは往復利用時にかかる費用を2で割って、片道あたりに換算しています。
新幹線
所要時間2時間で、指定席は10,760円、自由席は10,230円です。
東京~新潟間の営業キロは333.9キロです。片道600キロを超えませんので往復割引はありません。
「えきねっとトクだ値」を利用すれば、最安で6,980円になります。事前にネットで購入する必要があります。
初めてでも簡単にわかる!えきねっとトクだ値の要点また、利用するのが土日であれば週末パスというものを利用するという手もあります。週末パスで新幹線指定席に往復乗車すると18,960円です。自由席で往復する場合は17,900円です。
高速バス
所要時間5~6時間前後で、運賃は2,000円~6,000円程度です。
バスであれば期日に縛られることなく、安く旅行ができます。
また、夜行便があるというところもポイントです。