新幹線ワープする区間はどう選ぶか、東京~博多を例に

あんな

18きっぷで新幹線ワープをやるときの具体的な方法を教えてほしい

青春18きっぷを使うと、長距離を格安で旅行する事ができますが、普通列車しか使えないので時間がかかりすぎて困ることも多くあります。

とくに、その日のうちに目的地につけないと、宿泊を手配しないと行けなかったりするので、どうにか速達化できないかと考える必要があります。

そこで、一部区間だけ新幹線に乗るという方法を考えます。これを俗に新幹線ワープと呼びます。

今回は、新幹線ワープのやり方を具体的に説明します。

ワープの基礎知識は以下の記事を参考にしてください。
ゼロから解説!青春18きっぷで新幹線ワープをする方法

行程を決める大まかな手順

手順1
何時間節約が必要なのか決める
まず、目的に応じて何時間短縮が必要なのかを決めます。
手順2
乗り継ぎが悪いところをリストアップする
もともとの行程で乗り継ぎの待ち時間が多いところを探します。
手順3
効率の良さげなところから検討していく
順番に試行錯誤でワープする行程を検討していきます。
手順4
見直し
条件を満たすものの中で一番安上がりな区間を選びます。

東京→博多はその日のうちにつかない

よくありがちな例として、東京→博多を例にとって説明します。

東京~博多間は新幹線では5時間で着きますが、18きっぷを使うと、丸一日かけても到着できません。

試しに乗り換え検索をしてみます。

NAVITIME-東京~博多

NAVITIMEより

始発列車で出発すると、東京を4時55分に出ることになります。そして、博多に着くのは6時14分です。

一瞬、1時間19分で着くと思ってしまいますが、そんなことはなくて、実際には25時間19分かかります。

時間ならいくらでもあるよ、という方でも、流石にこれに納得の行く人は少ないでしょう。

というのも、2日かかるということは、青春18きっぷが2日分必要になりますし、途中での宿泊も手配しなければいけません。

そうすると、その日のうちに着くのに比べて、どんなに安くとも5,000円は余計にかかってしまうというわけです。

新幹線に乗ることによってその出費をしなくて済むのであれば、18きっぷ旅行であったとしても一部区間で新幹線に乗ったほうが合理的です。

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まずは何時間節約が必要なのか考える

ワープを考えるのなら、まず何時間節約が必要なのかをはっきりさせましょう。

目指す結果をはっきりさせないことには、何をどうすればよいかを考えることはできません。

東京を始発列車で出発して、最終列車がなくなる駅は九州に入って最初の小倉です。

小倉には0時05分に到着しますが、博多行の最終は23時18分に小倉を出発しています。なので、とりあえず1時間ほど短縮すればこの列車には間に合いそうです。

駅名 東京から
下関 23:51
小倉 0:05
22:35 22:54 23:18
博多 23:43 0:24 0:51

ただ、この列車は途中で日付をまたぎます。つまり、途中で18きっぷの有効期間が切れ、乗越運賃を払う必要があります。

日付をまたいで最初の駅は教育大前ですので、教育大前~博多間の運賃の650円が必要になります。

この乗越運賃は必要経費なので、黙って払ってもよいのですが、そんなところで払うよりかは新幹線代に回したほうが全体の旅行時間短縮になって合理的かもしれません(あくまで仮定の話ですが)。

日付が変わる前に博多に到着する列車は小倉22時35分発です。この列車に間に合うことを考えると、目指す短縮時間は1時間30分~2時間程度ということになります。

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乗り継ぎが悪いところから考える

もともとの乗り継ぎで、長時間待たされる駅などがあれば、リストアップします。

これは新幹線に乗ることによって、その待ち時間をスキップすることができるかもしれないからです。そうなれば、純粋なスピード差以上に時間短縮することができるので儲けものです。

今回の行程では、姫路で16分、糸崎で25分というのが目立ちます。この2箇所は割と近いところにあるので、まとめて処理できるかもしれません。なので、その付近で検討してみます。

メモ
東海道、山陽系統では乗り継ぎが良すぎて、逆に心配になることが多いです。16分、25分というのも、本来であれば必要な乗り換え時間と考えることもできますし、誤差の範囲内です。

ワープする区間の候補は以下の記事にまとめてあります。
【東海道新幹線】青春18きっぷでワープするときはこの区間に乗れ 【東海道新幹線】青春18きっぷでワープするときはこの区間に乗れ 【山陽新幹線】青春18きっぷでワープするときはこの区間に乗れ 【山陽新幹線】青春18きっぷでワープするときはこの区間に乗れ

検討1:姫路~岡山

姫路には14時47分に着きます。そうすると14時55分の、のぞみ号に乗り継ぐことができ、岡山に15時14分に到着します。岡山では15時23分発の普通列車に乗り継ぐことができます。

この時点で1時間11分先回りできました。

そしてすかさず、岡山15時20分発で再検索します。

結果、途中での乗り継ぎが上手く行かず小倉までしかいけません。

糸崎での乗り継ぎが改善されれば1時間半の短縮ができるという見込みでしたが、逆に徳山での乗り継ぎが悪化したため、徒労に終わりました。

新幹線乗車区間 姫路~岡山間
必要経費 3,220
短縮時間 1時間11分
実効短縮時間 39分
(小倉着を基準とする)

検討2:広島~徳山

次に、1時間30分短縮する可能性のある区間のうち、一番安い、広島~徳山間を検討します。この区間はもともとの乗り継ぎがスムーズですので、純粋にスピード差での勝負となります。

広島には19時48分に着きます。そうすると20時04分の、のぞみ号に乗り継ぐことができ、徳山に20時25分に到着します。徳山では20時35分発の列車に乗り継ぐことができます。

この時点で1時間24分の先回りです。

徳山20時30分発で再検索すると、博多0時24分着と出ます。

当初の目的である、その日の終電のあるうちに博多に着くという目的は達成しました。

これでもいいのですが、日付が変わる前に到着できないか考えてみます。

新幹線乗車区間 広島~徳山間
必要経費 3,390
短縮時間 1時間24分
実効短縮時間 1時間23分
(小倉着を基準とする)

検討3:広島~新山口

2時間短縮できる可能性のある区間で一番安い区間は広島~新山口間です。

たまたま、上記の区間を延長した区間です。ただ、さっきの のぞみ号は新山口に止まりませんので少々都合が悪いです。

広島には19時48分に着きますが、新山口まで行く新幹線は20時27分の のぞみ号です。この列車は新山口に20時57分に到着します。

すると新山口では21時18分発の普通列車に乗ることになります。

と、これは先の列車と同じです。つまり、新幹線に乗る距離を新山口まで伸ばしても、全く意味がないということがわかりました。

新幹線乗車区間 広島~新山口間
必要経費 4,750
短縮時間 1時間25分
実効短縮時間 1時間23分
(小倉着を基準とする)

検討4:岡山~広島

だんだん新幹線に乗る距離が長くなってきて、お金のほうが心配になってきますが、とりあえず検討してみます。

岡山~広島間は利便性が高く、コスパも案外よい区間です。

岡山には16時31分につきます。そうすると16時43分発のさくら号に乗り継ぐことができ、広島に17時22分に到着します。広島では17時30分発の列車に乗り継ぐことができます。

この時点で2時間23分の先回りです。

広島17時25分発で再検索すると、博多0時24分着と出ます。

あれ、おかしいですね、これまた同じ列車になってしまいました。

時刻表を見てみると、新山口で39分も停車している間に後続の普通列車に追いつかれるダイヤになっています。

先と同様に、この区間も、全く意味のないワープということになります。

新幹線乗車区間 岡山~広島間
必要経費 5,500
短縮時間 2時間23分
実効短縮時間 1時間23分
(小倉着を基準とする)

結論は「検討2」を採用

ワープ区間 必要経費 実効短縮時間
検討1 姫路~岡山 3,220円 39分
検討2 広島~徳山 3,390円 1時間23分
検討3 広島~新山口 4,750円 1時間23分
検討4 岡山~広島 5,500円 1時間23分

このように、いろいろ検討してきましたが、「検討2」のプランの効率の良さに気がついたのではないでしょうか。

無駄な案がいろいろ出てきましたが、2,000円以上積み増しても結果が変わらないことに気がつけたのは大きな収穫です。新幹線ワープはこういうことがよく起こりますので、1回1回よく調べないと使いこなすのが難しいです。

当初の目標では、0時を回る前に博多に着くということですが、このプランでも0時24分着と、さほど問題のない結果だと思います。

このプランの場合は、古賀で日付が変わりますので、古賀~博多間の運賃370円が別途かかります。先の新幹線代を考えると、370円を払ったほうが圧倒的にお得です。

最終的な結論として、今回の場合は広島~徳山間で新幹線に乗るのが合理的ということになります。

注意
今回の条件では、たまたまこの区間が最適でしたが、いつもこれが最適とは限りません。答えだけ暗記しないでください。

ワープする時間帯はちょうどいい

最初から条件には入れていませんでしたが、ワープを使う時間帯が20時頃になったのは非常に都合がいい結果になりました。

そもそも、ワープをする時間はいつでもいいのですが、あまり早い段階や、遅い段階にすると、事故などの対応で余計な出費がかかるリスクがあります。

今回とは逆に、博多から東京へ向かう行程を考えるときも、山陽新幹線の区間でワープするのが最適という結果になりそうです。この場合は、午前中にワープを済ませてしまうことになるので、後々の行程がきつくなってしまいます。多少出費がかさんでも東海道の区間までワープを我慢したほうがうまくいく可能性が高いと思います。

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