あんな
たかく
普段あまり鉄道に乗らない人は、新幹線のきっぷを買うのにも、よくわからなくて一苦労ということも多いのではないでしょうか。
新幹線のきっぷを買おうとして「同区間の片道乗車券」と言われて、どうしたら良いのかわからない場合の対処について解説します。
もくじ
よくわからない場合は、同区間の片道乗車券も同時に買ってください
よくわからない場合はとりあえず「いいえ」を押しましょうとはよく言われますが、この場合は逆です。
よくわからない場合は、「同区間の片道乗車券」も買ってください。
新幹線に乗るには2枚のきっぷが両方必要です。ひとつは「乗車券」、もうひとつは「特急券」です。
とりあえず新幹線に乗る駅から新幹線を降りる駅まで乗車するには、同じ区間の乗車券と特急券が必要です。特急券を買うついでに乗車券も買えるように、親切に同時に買うかどうかを尋ねられているわけです。
そもそもなんで2種類のきっぷが必要なのか
新幹線とそれ以外のJR線は全く違うもののように思えますが、どちらも同じシステムに組み込まれています。
乗車券というのは、鉄道に乗るために必要なきっぷのことで、どんな列車に乗ろうが、その駅間を乗車するのに必要なものです。
これに加えて、特急券というものを買うと、特別に急いでいく列車に乗ることができるわけです。つまり、乗車券が基本料金で、特急券がオプション料金という仕組みです。
特急券はオプション料金なので、これ単体で乗車することはできません。あくまで「同区間の乗車券」と同時に使用する前提のものです。
たかく
ただし、中には特急券と乗車券が一体になった商品もあります。これについては後述します。
片道乗車券とは
片道乗車券、とわざわざ言うのは、乗車券には片道と往復の区別があるからです。
特急券は1列車につき1枚なので、片道しかありえません。なのでわざわざ「片道特急券」という言い方はしません。
こういう場合は同区間の乗車券を買わない
特急券は必ず乗車券と同時に使用しないといけないのならば、なぜ別々に買えるようにする必要があるのかと疑問に思う方もいるかも知れません。
実は乗車券と特急券ではいろいろな決まりが違うのです。
在来線の列車に乗り継ぐ場合
特急券は基本的に1列車につき1枚と決められています。いろいろな列車を乗り継いで旅行する場合は、そのつど特急券を買う必要があります。
ところが、乗車券はひとつづきの経路であれば1枚に通算することができます。
新幹線どうしを改札口を出ずに乗り換える場合は、1本の列車とみなして1枚の特急券を発売する、などの特例がある場合があります。
たとえば、東海道新幹線と京葉線を乗り継ぐ場合を考えてみましょう。東海道新幹線で名古屋から東京まで乗車し、東京から舞浜まで京葉線に乗車するとします。
あんな
この場合、特急券が必要な列車は東海道新幹線だけなので、特急券は「名古屋→東京」となります。
乗車券は通算ができるので、名古屋→舞浜ということになります。
このように、乗車券の区間と特急券の区間がちがう場合は、別々に買う必要があります。
特急券には実際の乗車区間が表記されます。 参考 特定の都区市内駅を発着する場合の特例きっぷのルール:JRおでかけネット
乗る日が違う場合
乗車券と特急券では有効期間の考え方も違います。
特急券は1列車につき1枚なので、指定席の場合はその日のその列車に限って有効です。自由席の場合は1日間有効です。
ところが、乗車券はいくつもの列車を乗り継いで旅行することを前提にしていますから、1日限りとは限りません。
具体的には、最初の100キロまでが当日限り、200キロまでが2日間有効、それ以降は200キロ増えるごとに1日加算されます。
例えば、東京~京都間は513.6キロありますから、片道乗車券の有効期間は4日間有効となります。往復乗車券はその倍になりますから、実に8日間有効のきっぷとなります。
8日間のうちに、どの日に新幹線に乗るかは自由ですから、もしも乗車券の有効期間開始翌日以降に新幹線に乗車する場合は、乗車券と特急券を同時に買ってはいけないということになります。
同時に買ってしまうと、乗車券の有効開始日と、特急券の有効日が同じ日になってしまいます。
もちろん、特急券は前売りできますから、同時に買うことはできますが、日時を分けて指定する必要があるので、二つ返事で「同区間の乗車券も購入」というわけには行かないわけです。
【早見表あり】往復乗車券の有効期間を調べるのは少し面倒
往復割引を利用する場合
片道の営業キロが601キロ以上の区間を往復する場合は、1割引きになる往復割引を利用することができます。
この場合、割引になるのは乗車券部分だけですので、乗車券と特急券は分けて買わないといけません。
そのため、「同区間の乗車券も購入」を押さずに、改めて往復乗車券を買い求めるようにしましょう。
ちなみに、600キロというのは東京~西明石、東京~二戸、東京~大曲などが該当します。
往復乗車券は片道乗車券2枚とは違います
往復割引がない距離の場合は、片道を2回買っても、往復乗車券を利用しても値段は変わりません。
フリー乗車券と組み合わせて使う
JRの乗車券には、指定されたエリアの中は乗り放題、というタイプの乗車券もあります。
そういったフリー乗車券は特急券を別途買い求めることで新幹線などに乗ることができるようになるものがあります。
フリーきっぷには、
- 普通列車や快速列車しか乗れないもの(青春18きっぷなど)
- 基本的には普通列車や快速列車にしか乗れないが、特急券を買い足せば特急に乗れるもの(週末パスなど)
- 特急列車も含めて乗り放題なもの(北海道フリーパスなど)
の3種類があります。
このうち、特急券を買い足せば乗れるものを利用するときは、特急券だけを単体で購入する必要があります。
学割を利用する
大学生の方であれば「学割乗車券」を使いたいという方も多いでしょう。
学割は乗車券に適用するもので、特急券には適用できません。
そのため、乗車券は割引、特急券は無割引のものを買う必要があります。したがって、「同区間の乗車券も購入」を押してはいけません。
学割乗車券を買うには窓口に行って学割証を提出する必要があります。そのため、券売機やネットで買えるのは特急券部分だけということになります。
乗車券と特急券が分離不可のものもある
あんな
中には特急券と乗車券が一体になって分離不可能な商品があります。
格安で乗れるきっぷや新幹線回数券などがこれに当たります。
こういう場合は乗車券を別途買うかどうかは聞かれません。乗車券部分と特急券部分が1枚に含まれていますので、改めて乗車券を買う必要はありません。
- [北海道][東日本] えきねっとトクだ値(乗車券付き)
- [東日本] 新幹線Wきっぷ
- [東海][西日本] スマートEX
- [東海][西日本] EX早得
- [九州] 九州ネットきっぷ
- [九州] 九州ネット早割
- 新幹線回数券
これは、特急券単体を割り引いてしまうと、学割乗車券や他の割引乗車券と組み合わせて使うことができてしまい、JRが想定する以上に安くなってしまうからです。
片道だけお得なきっぷを利用する場合
上記のような、乗車券と特急券がセットになったきっぷは、基本的には、片道ずつ買うのが基本になります。
片道は定価、片道はお得なきっぷ、という組み合わせで往復する場合は、片道乗車券を2回利用するのと同じに考えればよいです。
この状態で往復乗車券を買ってしまうと、片道分の乗車券が重複してしまいますので、往復乗車券の出番ではありません。
例えば、ある区間を往復するときに、かえりの分だけ「トクだ値」が取れたとします。
この場合は、帰りの「トクだ値」のきっぷに乗車券も含まれていますので、ゆきの分は特急券と片道乗車券を買えばよいということです。
一葉券は分離可能
ちなみに、乗車券と特急券を同時に買うと、特急券と乗車券が1枚のきっぷに印刷されることがあります。
この場合は見た目は1枚にまとまっていて、切り離すことはできませんが、効力の上では2枚で発行した場合と同じで、それぞれが分離可能です。
なので、特急券だけ変更を行ったり、乗車券の区間だけ変更したり、といった取扱いが可能です。こういったきっぷを「一葉化券」と呼びます。
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