発車6分前までならセーフ!トクだ値で乗り遅れそうなときは

発車6分前までならセーフ!トクだ値で乗り遅れそうなときは

あんな

トクだ値のきっぷをとったんだけど、乗り遅れそうなときはどうすればいいの?

たかく

発券前なら後続の列車に変更できるけど、発券後だといったん払い戻す必要があるね

えきねっとトクだ値は新幹線に格安で乗れるので重宝します。

ただ、変更や払い戻しに制約があるので、その点は充分に気をつける必要があります。

とくに、乗り遅れそうになったときにどうすればいいのかを説明します。

予約した列車以外に乗る場合は、割引を放棄する

まず、大前提として、当日になって急に乗る列車を変更する場合は、割引を受ける権利がないということを理解してください。

そもそも、えきねっとトクだ値というきっぷは、事前に乗る列車を確約することによって安く旅行ができるという商品です。乗車当日になって買えるきっぷではありません。それは、変更などの場合も全く同じです。

予約した列車以外に乗りたい場合は、少なくとも定価の値段を払う覚悟が必要です。

たかく

指定列車に乗るという賭けに負けたわけです
注意
すでに発車時刻を過ぎている場合は特急券部分が無効になります。普通の特急券と違って、後続列車の自由席に乗ることはできません。

そのため、特急券を買い直す必要があります。

その結果、最初から正規の値段で買った場合より高くつくことになりますが、これはやむを得ません。諦めてください。

トクだ値とは、こういうリスクを承知する代わりに、大幅な割引を受ける商品なのです。

東京→仙台のやまびこ号、トクだ値10に乗り遅れた場合

  • (トクだ値10の値段 9,970円)変更・払い戻し不可
  • 正規の指定席特急券の値段 5,040円
  • 変更するときの追加支払い額 5,040円

この記事では、「乗り遅るのはほぼ確実だけど、まだ発車時刻にはなっていない」場合の対処について説明します。

えきねっとは発券前と発券後で扱いが違う

トクだ値の変更・キャンセルのリスク

えきねっとのきっぷの変更や払い戻しの扱いは、きっぷを受け取る前と後で大きく違います。

きっぷを受け取る前であれば、インターネット上で変更や払い戻しの取扱いができ、手数料も数百円以内ですみます。

きっぷを受け取ったあとでは、これに大きく制約がかかります。

特に、トクだ値のきっぷは受け取り後の変更が一切不可で、払い戻すときには数千円単位で手数料が引かれます。

えきねっとトクだ値 変更・払い戻し
  受け取り前 受け取り後
取扱箇所 ウェブサイトのみ
えきねっと
駅の窓口のみ
変更   何度でも可能 一切不可
期限 発車6分前まで
手数料 無料
(差額の精算は必要)
キャンセル   可能 可能
期限 発車6分前まで 発車時刻まで
手数料 320円 割引率と同じ分
(5%~50%)
ただし最低560円
無断
キャンセル
  発車時刻を過ぎていても
受取は可能(当日23時まで)
乗車券部分のみ当日有効
特急券部分は無効
後続列車利用も不可
手数料 乗車当日23時までに
受け取らない場合は
代金100%請求
運休した
場合
  自動取り消し 全額払い戻し
払い戻し請求は1年間有効
手数料 なし なし

トクだ値の場合、電話による変更やキャンセルはできません。

参考 えきねっとトクだ値>申込・乗車にあたっての注意事項えきねっと(JR東日本)

あんな

トクだ値は受け取る前後で待遇が天国と地獄

受け取り前の変更は簡単

えきねっとで購入したきっぷは受け取り前であれば、無手数料で何度でも変更ができます。

メモ
何度でも変更できるのは、JR東日本、JR北海道、JR西日本の北陸エリアで完結するきっぷに限ります。
トクだ値はこのエリア完結ですので心配いりません。

変更は当日であっても問題なく可能です。予約した列車が発車する6分前までにインターネットから変更の手続きをすればOKです。

変更先の列車でもトクだ値を利用することができますが、トクだ値は当日購入することはできません。当日乗り遅れそうになった場合は、その日の後続の列車の定価の指定席に変更することになります

また、指定席から自由席に変更することはできません。

変更するときは、すでに支払った金額と、変更先のきっぷの値段を比較して差額を支払うことになります。

東京→仙台のやまびこ号、トクだ値35を当日、後続列車に変更する場合

  • トクだ値35の値段 7,200円
  • 正規の指定席の値段 11,090円
  • 変更するときの精算額 11,090円 – 7,200円 = 3,890円

翌日以降の列車に変更する場合は、残席があればトクだ値に変更することもできます。

新幹線に乗ること自体をやめる場合は、インターネット上から払い戻しできます。この場合、320円の手数料を引いて差額が戻ります。

メモ
通常の紙の特急券の払い戻し手数料は340円ですので、これより20円安いです。乗車前日以降の割増もありません。

いずれも、指定列車が発車する6分前までに、えきねっとのサイトから手続きが必要です。

えきねっと(JR東日本)

少しでも損失を抑えるために自由席に乗りたいとき

指定席から自由席に変更することはできないので、トクだ値から当日変更する場合は定価の指定席を買わないといけません。

それではあんまりだ、せめて自由席がいい、という場合は、一旦払い戻して買い直すことができます。

指定席と自由席の差額は基本的に530円、繁忙期は730円です。いっぽう、トクだ値の払い戻し手数料は320円(固定)です。

そのため、一旦払い戻してから自由席を買い直すと、指定席に変更した場合と比べていくらか安くすみます。

払い戻して自由席を買い直すほうが得?
  指定席と自由席
の差額
トクだ値を払い戻して
自由席を買い直すと、
指定席に変更するのと比べて
下記以外 閑散期 330円 10円浮く
通常期 530円 210円浮く
繁忙期 730円 410円浮く
山形新幹線 閑散期 570円 250円浮く
通常期 910円 590円浮く
繁忙期 1,250円 930円浮く

閑散期、繁忙期がいつなのかは以下のページで確認できます。

参考 シーズン別の指定席特急料金きっぷのルール:JRおでかけネット

ちなみに、秋田新幹線には自由席がありませんので、注意してください。

あんな

駅で買ったきっぷだと、当日キャンセルは30%取られるよね

たかく

えきねっとのキャンセル料は一律320円だから有利だね
案外厳しいぞ!指定席特急券で自由席に乗ることはできるか 案外厳しいぞ!指定席特急券で自由席に乗ることはできるか

受け取り後の変更は悩ましい

トクだ値の場合、きっぷを受け取ったあとは変更が一切できませんので、あきらめるか払い戻すかの二つに一つになります。

払い戻し手数料は、普通のきっぷと比べて割高です。そのため、諦めたほうが安くつく可能性もあります。

というのも、乗車券部分は乗る列車にかかわらず有効になる、つまり、乗り遅れても権利は消失しないからです。

トクだ値は乗車券と特急券が一体になったきっぷです。払い戻すときは両者を同時に払い戻す必要があります。仮に、払い戻した結果、定価の乗車券の代金すら回収できないのであれば、払い戻して買い直すのは損だということになります。

つまり、トクだ値を払い戻した結果、いくら戻ってくるのか、それが定価の乗車券の代金より多いのか、ということを調べる必要があります。

  • トクだ値を払い戻した場合、乗車券の代金以上戻ってくる→払い戻して買い直したほうが得
  • トクだ値を払い戻した場合、乗車券の代金すら戻ってこない→特急券だけ買い直したほうが得

どちらが得かは断定できない

トクだ値の払い戻し額と乗車券の代金を比べるのは結構面倒です。

発券後のトクだ値を払い戻す場合は、割引率の分だけ手数料がかかります。例えば、トクだ値30の場合は30%割引ですので、発売額の30%が払い戻し手数料になります。

いちいち計算するのは面倒なので、こういうときはこうですよ、と言いたいのですが、それはできません。運賃と特急料金の比率は乗車する列車や区間によって変わりますので、一概に片付ける訳にはいかないのです。

とはいっても、それでは困りますから、目安として、東京~仙台間のやまびこ号普通車で計算してみました。

やまびこ号 東京~仙台間 払い戻すと得か損か
原券 発売額 払い戻し額
(発売額 – 手数料)
払い戻し額 – 片道運賃
トクだ値10 9,970円 8,980円 2,930円(払い戻すと得)
トクだ値15 9,420円 8,010円 1,960円(払い戻すと得)
トクだ値30 7,750円 5,440円 -610円(払い戻すと損)
トクだ値35 7,200円 4,690円 -1,360円(払い戻すと損)

東京~仙台間の片道運賃は6,050円

払い戻し額の計算例
  • トクだ値10 発売額 × (1 – 0.10)
  • トクだ値35 発売額 × (1 – 0.35)

端数整理を考慮しない概算です。

メモ
払い戻し手数料は乗車券部分と特急券部分それぞれについて10円単位で切り捨てます。そのため、発売額に割引率をかけて計算した場合とくらべて最大で18円の誤差が発生します。
厳密に計算するのはひどく面倒なので、18円以内の誤差は許容しましょう。
参考 「えきねっとトクだ値」で申し込んだ後に払戻しはできますか。えきねっと(JR東日本)|よくあるご質問

この場合では、トクだ値10、15の場合は払い戻して買い直したほうが得、トクだ値30、35の場合は、乗車券部分を活用して特急券だけ買い直したほうが得、ということになります。

例:東京→仙台のやまびこ号、トクだ値35を当日、後続列車に変更する場合

この場合は「方法1」のほうが安くすみます

方法1
特急券だけ買い直す

  • (トクだ値35の値段 7,200円(乗車券部分は有効))
  • 正規の指定席特急券の値段 5,040円
  • 変更するときの追加支払い額 5,040円
方法2
もとの券を払い戻し、全て買い直す

  • (トクだ値35の値段 7,200円)
  • トクだ値35の払い戻し額 4,690円
  • 正規の指定席の値段(乗車券込み) 11,090円
  • 変更するときの追加支払い額 11,090円 – 4,690円 = 6,400円

このように、自分で計算するのはかなり面倒なので、窓口に行って相談するのが手っ取り早いでしょう。

自由席にしたほうが必ず安い

きっぷを受け取り後は変更が一切できません。

いずれにしても、特急券は改めて買い直す必要があります。そのため、指定席よりも自由席のほうが安くすみます。

乗り遅れた損失を少しでも取り戻すために、自由席に乗るというのも手です。

まとめ

発券前で発車6分前までであれば、
無手数料で定価の指定席に変更か、手数料を払って払い戻して自由席を買い直す。
これはウェブ上で手続きをします。

発券後であれば、
特急券部分は捨てて特急券だけ買い直すか、大幅な払い戻し手数料を払って全部を買い直す(どちらが得かは一概に言えない)。
これは窓口で手続をします。

発車後は、払い戻しも変更もできないので、特急券だけ買い直す(乗車券は有効)。

新たに買い直す特急券は定価です。指定席よりも自由席のほうが安くなります。

たかく

こういうことがありますので、
指定列車に確実に乗れることがわかるまで、きっぷの受取りはしないほうが得策です

えきねっと(JR東日本)

参考 えきねっとトクだ値>申込・乗車にあたっての注意事項えきねっと(JR東日本)

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