あんな
たかく
東京~仙台間を青春18きっぷで移動すると約7時間かかります。
快速列車の恩恵はあまり受けることはできませんが、東北地方にしては車両設備に恵まれています。
ですが、よくよく考えて使わないと思わぬ失敗や、残念な旅行となってしまうことも多いので、よく事情を調べてから行うようにしましょう。
もくじ
まずは基本的なデータ
行程は、ばらつきがありますので、平均値と標準偏差を示します。
上野~仙台間で計算しています。
具体的な時刻は各自で調べてください。
日帰りは可能、1泊なら余裕
青春18きっぷの旅行で片道7時間というと、ギリギリ実用的な日帰りができる範囲に入ります。
始発列車で出発して最終列車で帰ってくると、現地での滞在時間は6時間程度確保できます。
ただし、帰りはほぼ全区間夜間になってしまうので、精神的にきついです。
現地で1泊以上するのであれば、全く焦ることなく行動できます。
快速列車の恩恵はほぼありません
青春18きっぷでは快速列車にも乗ることができるので、長距離旅行をするならできるだけ快速列車を活用したいところです。
東北本線にも快速列車が走っているので、それを利用すれば快適に旅行できるような気がします。ところが、それは間違いです。
東北本線の快速列車は、上野~宇都宮間と、福島~仙台間の2つの区間に走っています。「ラビット」や「仙台シティラビット」などの名前がついていて、ちょっと豪華そうな雰囲気がありますが、普通列車と同じ車両が使われています。
どちらも、他の列車を次々に追い抜くほど速くはなく、普通列車とのスピード差もほぼありません。
上野~宇都宮間では途中で1本だけ追い抜くことが多いですが、せいぜい5分位しか早く着きません。
ですので、乗る列車が快速列車かどうかを気にする必要は全くありません。
黒磯~新白河間に注意
東北本線は一部の区間や時間帯を除いて、大体1時間おきに走っています。ですので、1時間おきに走っている列車を捕まえてしまえば、そのまま次々に乗り換えて目的地まで行くことができます。
ところが、途中の黒磯~新白河間では2時間列車が来ない時間帯があります。そのため、運悪くこの時間帯にあたってしまうと、途中で1時間も余計に待つことになってしまいます。
そうならないためにも、事前に乗る列車の時刻は全部調べてから出発したほうが良いでしょう。
この区間は、まれにイベントの開催などで大混雑することがあるようです。列車に乗り切れないほど乗客が殺到し、積み残しが発生したこともあります。どうしても外せない予定がある場合は、1本乗り逃しても問題がないような行程を立てるようにしましょう。
さらば椅子取りゲーム!青春18きっぷで混雑を回避する3つの方法東北地方にしては車両は恵まれている
JR東日本では、ロングシートの車両が多く、青春18きっぷでの旅行でも長時間ロングシートに乗ることを覚悟しなければいけません。とくに東北地方で顕著です。
そんな中で、東京~仙台間は、わりあい恵まれた部類だと思います。100%ロングシートを覚悟しなければならないのは栃木県内の一部くらいで、ほとんどの区間でボックスシートに乗れるチャンスがあります。
運転間隔は1時間おきで、気軽に途中下車はできませんが、トイレは全部の列車についていますのでその点は安心です。
上野~宇都宮間
E231系とE233系という車両が使われています。この2つは製造時期の違いが主で、接客設備に違いはさほどありません。
10両編成の列車と15両編成の列車があります。
座席はほぼロングシートですが、編成中の一部車両にボックスシートがあります。E231系よりもE233系のほうがボックスシートのある車両が多くなっています。また、全列車にグリーン車が連結されています。
東北方面は車両に恵まれていないので、座席にこだわりがある人はこの区間でグリーン車に乗ると良いです。
グリーン料金は平日1,000円、土休日800円です。
15両編成の列車の場合は10両の基本編成と5両の付属編成が連結されます。10号車の隣が11号車です。このとき、E231系とE233系の区別はなく、別々の形式が連結されることもあります。
G車=グリーン車
?=トイレ
←熱海・東京 | 宇都宮・黒磯→ | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
セミ クロス |
セミ クロス |
ロング シート |
G車 | G車 | ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
? | ? | ?※ | ?※ |
※6号車と10号車のどちらか一方にトイレがついています。
←熱海・東京 | 宇都宮・黒磯→ | |||
---|---|---|---|---|
11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
セミ クロス |
セミ クロス |
? |
←熱海・東京 | 宇都宮・黒磯→ | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
セミ クロス |
セミ クロス |
ロング シート |
G車 | G車 | ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
セミ クロス |
セミ クロス |
? | ? | ?※ | ? |
※6号車にトイレがついていない編成もあります。
←熱海・東京 | 宇都宮・黒磯→ | |||
---|---|---|---|---|
11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
ロング シート |
ロング シート |
ロング シート |
セミ クロス |
セミ クロス |
? |
宇都宮~黒磯間
上野方面から直通の列車の場合は上記と同じ状況です。
それ以外のほとんどの列車は205系という車両が使われています。205系は、1985年から2005年まで山手線で使用されていたのと同じ型の車両です。
205系は4両編成の列車と8両編成の列車があります。ラッシュ時を除いて、ほとんどが4両編成です。
座席は全車両ロングシートです。
この区間は景色も単調ですし、通勤電車タイプの車両なので、飽きやすいです。また、朝東京方面から出発してくる場合は、この区間で通勤ラッシュに当たり、つらいところです。
黒磯~新白河間
E531系と、キハ110系という車両が使われています。
この2つは、市販の時刻表の列車番号の欄を見ると識別可能です。列車番号がMで終わっているものがE531系、Dで終わっているものがキハ110系です。
日中はキハ110系のみが運用され、E531系は朝夕に使用されます。
E531系
E531系は5両編成で、東京寄りの3両がボックスシートのあるセミクロスシート、仙台よりの2両がロングシートです。
?=トイレ
←黒磯 | 新白河・白河→ | |||
---|---|---|---|---|
5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
セミ クロス |
セミ クロス |
セミ クロス |
ロング シート |
ロング シート |
? |
ちなみに、黒磯駅の乗り換えは5号車、新白河駅の乗り換えは1号車が便利です。
キハ110系
キハ110系は2両編成で、全車ボックスシートがあります。
時期にもよりますが、2両編成の列車は結構混みます。できることならE531系の使われる列車を選んで乗りたいところです。
事前に混雑が予想される場合はE531系で代走することもあるようですが、期待しないほうが良いでしょう。キハ110系で実際に積み残しが発生するほど混雑したこともあります。
2020年3月14日のダイヤ改正から、この区間はすべての列車がE531系での運転となります。
新白河~仙台間
701系とE721系という車両が使用されています。
701系はロングシート、E721系はボックスシートです。
どちらの車両が使われるかは、決まっている列車と決まっていない列車があります。決まっている列車であっても、公式にはそのことがアナウンスされないので、旅行者が事前に知るすべはありません。
比率としてはE721系のほうが多いです。
また、同じ列車に701系とE721系が両方連結されることもあります。
編成両数は2両から6両まであります。4両編成の列車がほとんどです。
まれにある2両編成の列車にあたってしまうと、かなりの混雑となることもあります。しかし、現地に行ってみないと、どの列車が2両編成かどうかわかりません。駅に張ってある時刻表で「ワンマン」と表示されているものは2両編成です。
ワンマンの列車は701系の確率が高いです。
ちなみに、時刻表上では別の列車と案内されていても、実際には同じ車両が引き続き直通運転する列車が複数あります。何かと実態がつかみづらい路線です。
全体的に、日中は2両ワンマンの列車が多いです。
福島~白石間の折返し列車は2両ワンマンです。
快速は基本的に4両です。仙台に乗り入れる普通列車も基本的に4両です。
途中で増解結する列車もあります。
食事のために途中下車する駅は
列車の中で食事をするのもありですが、なかなか混雑する列車が多く、列車を降りてから食事をしたほうがいいと思うことが多いです。
東京~仙台間では、福島や郡山で途中下車すると良いでしょう。これらの駅では駅前が繁華街になっていますので、食事場所には困りません。
福島では乗り継ぎ待ち時間が長いことが多く、そのタイミングに食事を済ませてしまうことも可能です。
逆に、黒磯は想像以上に駅前に何もありませんので注意してください。新白河も微妙です。
たかく
迂回ルートはマニアックなものしかない
以前は常磐線が利用できたので、東京~仙台間は東北本線経由と常磐線経由という2ルート体制でした。
ですが、現在は東日本大震災の影響で常磐線が利用できないので、実用的なルートは東北本線の1本のみとなっています。
マニアックなルートが利用したいというのであれば、水戸から郡山まで水郡線を利用したり、いわきから郡山まで磐越東線を利用するというルートもあります。いずれも実用には適しません。
たかく
常磐線の代行バスを利用するという手段もあります。このバスは青春18きっぷで利用することができます。
いろいろな路線に乗ってみたいという人はこれらのルートを利用してみるのも面白いと思います。
水郡線は、2019年10月に発生した台風19号の影響で、長期不通区間があります。
不通区間は、途中の西金~常陸大子間の11.5kmです。この区間は代行バスの運行がされていますが、通常に比べて大幅に時間がかかります。
復旧見込みは、西金~袋田間について2020年7月頃、袋田~常陸大子間について2021年夏頃の予定となっています。
参考 水郡線の運転再開時期の見通しについて(pdf)JR東日本水戸支社上りの最終はハイリスク
上りのうち、最終の乗り継ぎパターンは特別な注意が必要です。
大宮駅で1分で京浜東北線に乗り換える必要があります。この電車は赤羽以南に行く最終ですので、乗り遅れたら大変なことになります。赤羽駅からタクシーでも使わないと帰れなくなります。
基本的に、ダイヤ乱れがなければ乗り継ぎは可能です。
最終の乗り継ぎですので、多少の遅れであれば待ってくれることもありますが、係員の善意によるところが大きいので、あまり期待しないほうがいいと思います。
もし失敗したらタクシーでも徒歩でも構わないという人だけ挑戦してみてください。
たかく
代替手段
東京~仙台間は新幹線が圧倒的に便利です。その分値段もかなり張りますので、悩みどころです。
リーズナブルな移動手段としては高速バスがあります。
青春18きっぷ利用を検討しているのであれば、高速バスも検討してみると良いでしょう。
所要時間 | 運賃・料金 | |
---|---|---|
?青春18きっぷ | 約7時間 | 2,410円 2位 |
?新幹線はやぶさ号 | 1時間30分 1位 | 11,410円(指定席) 10,200円(学割・指定席) 9,800円(週末パス・指定席) ※自由席はありません |
?新幹線やまびこ号 | 1時間50分 ~2時間20分 2位 | 11,090円(指定席) 10,560円(自由席) 9,420円~9,970円(トクだ値) 9,480円(週末パス・指定席) 9,350円(学割・自由席) 8,950円(週末パス・自由席) 7,200~7,750円(お先にトクだ値) |
?高速バス | 約5~6時間 | 約2,000円~6,000円 1位 |
週末パスは往復利用時にかかる費用を2で割って、片道あたりに換算しています。
新幹線
はやぶさ号だと、所要1時間30分で11,410円、
やまびこ号だと、所要2時間前後で10,090円です。自由席は530円安くなります。
東京~仙台間の営業キロは351.8キロです。片道600キロを超えませんので往復割引はありません。
「えきねっとトクだ値」を利用すれば、最安で7,200円になります。事前にネットで購入する必要があります。
初めてでも簡単にわかる!えきねっとトクだ値の要点また、利用するのが土日であれば週末パスというものを利用するという手もあります。週末パスでやまびこ号自由席に往復乗車すると17,900円です。はやぶさ号で往復する場合は19,600円です。
【値段比較】東北新幹線はトクだ値と週末パスどっちがお得?高速バス
所要時間5~6時間前後で、運賃は2,000円~6,000円程度です。
バスであれば期日に縛られることなく、安く旅行ができます。
また、夜行便があるというところもポイントです。