あんな
たかく
今の時代、インターネットサービスを活用すると出費を抑えることができる事が増えました。
新幹線のきっぷも、駅で買うよりもインターネットで買ったほうがお得です。なかでも、JR東日本の提供する「えきねっと」は、鉄道のネット予約サービスの中でも、かなり割引が優れています。
えきねっとトクだ値って何?
えきねっとトクだ値は、JR東日本の割引きっぷです。JR北海道の列車にも設定があります。
インターネット限定発売で、発売期日や列車に制限がありますが、5%~50%引きの値段で乗ることができます。
新幹線は東京から北に向かうもの全てに設定があります。運転区間はJR西日本にかかる部分もあります。
在来線の特急列車は東京周辺の一部列車に設定があります。
2019年4月から、羽越本線のいなほ号も利用できるようになりました。
JR北海道の特急は大半の列車に設定があります。
参考 JR北海道>>えきねっと「トクだ値」JR北海道のえきねっと買うタイミングによって値段が変動します
えきねっとトクだ値は、買うタイミングによって値段が違います。いちばん大事なのは予約が早ければ早いほど安いということです。値段が切り替わるのは乗車13日前と乗車当日です。
JRの指定席は乗車日の1ヶ月前から発売になります。普通に駅で買う場合はいつ買っても同じ値段です。
トクだ値は2種類の値段があります。1ヶ月前から14日前まで発売の「お先にトクだ値」と、1ヶ月前から前日まで発売の通常の「トクだ値」に分かれています。お先にトクだ値の方が安く利用できます。値段は異なりますが、両者で発売期間以外の条件の違いはありません。
一部を除く在来線特急には「お先にトクだ値」がないので、13日前の値上がりはありません。
乗車当日はどちらも発売していませんので、通常のきっぷを買うことになります。通常の値段のきっぷも、えきねっとで買うことができます。
値段 | 発売期間 | |
---|---|---|
通常のきっぷ | 定価 | 1ヶ月前から当日まで |
トクだ値 | 5~15%引き | 1ヶ月前から前日まで |
お先にトクだ値 | 25~35%引き | 1ヶ月前から14日前まで |
新幹線、および在来線特急の、あずさ号、かいじ号、いなほ号が上記に当てはまります。
値段 | 発売期間 | |
---|---|---|
通常のきっぷ | 定価 | 1ヶ月前から当日まで |
トクだ値 | 10~50%引き | 1ヶ月前から前日まで |
在来線特急のうち、上記以外のものに当てはまります。
たかく
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基本的に乗車券と特急券のセットです
JRのきっぷは、乗車券と料金券の二種類があり、特急や新幹線に乗るときは乗車券と特急券の2枚が必要です。
通常は別々に購入しますが、えきねっとトクだ値の場合は、基本的に両者が一体になっていて切り離すことができません。
ただし、東京近郊の在来線特急の一部区間で、特急券のみのトクだ値があります。
以下の区間は、特急券のみの割引です。乗車券は別途購入する必要があります。Suicaや定期券で利用することができます。
路線 | 列車 | 区間 | 割引率 |
---|---|---|---|
横須賀線 | 成田エクスプレス号 ※1 | 東京・品川→武蔵小杉~大船間 | 35% |
東北本線 | 成田エクスプレス号 ※2 | 渋谷・新宿・池袋→大宮間 | 35% |
中央本線 | 成田エクスプレス号 ※3 | 渋谷・新宿→吉祥寺~高尾間 | 35% ※4 |
京葉線 | わかしお号 さざなみ号 |
東京⇔海浜幕張・蘇我 | 35% ※5 |
総武本線 | 新宿わかしお号 新宿さざなみ号 |
新宿⇔船橋・津田沼・千葉 | 35% ※5 |
総武本線 | しおさい号 | 東京⇔船橋・千葉・四街道 | 35% ※5 |
※1 東京駅を17時46分以降に発車する横浜方面の列車に限ります。
※2 渋谷駅を18時40分以降に発車する大宮方面の列車に限ります。
※3 渋谷駅を21時10分以降に発車する高尾方面の列車に限ります。
※4 無割引のあずさ号かいじ号などの指定席特急券のほうが安いです。
※5 無割引の自由席特急券のほうが安いです。
いずれも、2020年3月31日までの期間限定です。
片道ずつ買います
えきねっとトクだ値は片道1回ごとの発売です。
往復乗車するときは片道ずつ買う必要があります。往復利用に対する優遇は一切ありません。
利用のしかた
この時にクレジットカードの登録が必要です。
入会金や年会費などは一切かかりません。
ただし、駅の券売機に挿入する必要があるので、カードレスタイプのものは使用できません。
事前受付期間の場合を除いて、予約と購入は同時です。
この時点ではカード決済はされませんが、購入契約が成立します。
購入に使用したカードを駅に持っていく必要があります。
この時点で代金がカード決済されます。
トクだ値を利用するときは、えきねっとを使って通常のきっぷを購入するのと同じ手順で利用します。
購入画面で、座席の種別に「トクだ値」の表示が出る列車がありますので、これを選択すればOKです。「トクだ値」の表示がない列車には設定がありません。
あんな
購入契約と決済のタイミングがずれる
えきねっとを利用する時に注意する点として、決済のタイミングのズレがあります。
普通インターネット上で物を買うときは、申し込んだ時点でカード決済が行われますが、えきねっとは違います。
購入を申し込んだ時点ではカード決済されず、駅できっぷを発券するタイミングで引き落としが行われます。そのため、駅で受け取るまでは購入してないことになると勘違いしてしまいがちですが、ネット上で申し込んだ時点で購入契約が行われます。
座席を押さえた時点で購入する契約が済んだことになっているので、そのまま受け取らずに放置していても自動的に取り消されることはありません。列車が発車したあとで、代金が請求されることになります。
メリット
えきねっとトクだ値の一番のメリットは値段が安いことです。
それ以外にも「えきねっと」できっぷを買うメリットがいくつかあります。
とにかく安い
えきねっとトクだ値は安く乗れるというところがポイントです。
割引率は列車や区間によって異なりますが、大まかに言うと5%~50%引きになります。
また、列車1本あたり、えきねっとポイント30ポイントがもらえます。このポイントはSuicaのチャージ額75円分に交換して使うことができます。往復で利用すればジュース1本分になります。ただしポイントが付くのは乗車日の翌日以降です。
駅に行かなくても座席が抑えられる
従来は駅に行ってその場で特急券を買わないと座席を抑えることができませんでした。しかし、えきねっとはインターネットを通じて予約することができます。自宅のPCや移動中のスマートフォンなどを使って座席を確保することができるので便利です。
窓口に並ぶ必要がない
えきねっとで購入したきっぷは乗車前に駅で受け取る必要があります。この受取は指定席券売機で行うことができます。
きっぷ受け取りの操作は簡単で、購入に使用したクレジットカードを挿入し、発券するきっぷを選択するだけです。慣れれば30秒ほどでできると思います。
窓口できっぷを買おうとすると行列で何分も待たされたりして大変ですが、そういったストレスはなくなります。
指定席券売機で購入するときも、列車を選んで、座席を選んで、などと悠長にやっていると後ろに並んでいる人に気を遣って落ち着いて選択できないこともあります。えきねっとの受取は一瞬で、その場で考えることもないので、そういったストレスもありません。
きっぷ受取前の変更が自由自在
通常のきっぷは、購入したその場できっぷが発券されます。この場合、1回に限って無手数料で他の列車に変更することができます。2度目以降の変更は手数料がかかります。
えきねっとで予約した場合は、きっぷの受け取り前であれば変更が自由です。JR東日本やJR北海道管内の列車に変更する場合は何度でも無手数料で変更することができます。
きっぷを受け取らずに放置した場合は代金の100%が請求されます。
入会金や年会費がかからない
専用のサイトに会員登録が必要と聞くと身構えてしまいますが、お金は一切かかりません。
また、専用のクレジットカードに入会する必要もありません。手持ちのカードで登録することができます。
すぐ使う予定がなくて、会員登録だけして放置していても何ら問題ありません。
モバイルSuica特急券や、JR東海のエクスプレス予約は年会費が必要なので、それとは対照的です。
参考 えきねっとトクだ値:えきねっと限定のおトクな割引きっぷえきねっと(JR東日本)デメリット
値段が安いからには普通のきっぷにはないデメリットがあります。
クレジットカードが必要
えきねっとトクだ値は現金で購入することはできません。インターネットで事前に登録したカードで決済する必要があります。
クレジットカードの他に、対応したプリペイドカードやデビットカードで利用することもできます。
VISAやJCBのデビットカードを持っておくと、銀行口座から直接支払いができるので便利です。
J-Debit(ジェイデビット)は利用できません。
コンビニ払いや銀行振込などには対応していません。駅の窓口で支払うこともできません。
自由席利用はできない
えきねっとトクだ値で割引価格で購入できるのは指定席だけです。
もちろん、えきねっとで自由席券を買うこと自体は可能ですが、割引は一切ありません。
多くの場合、トクだ値で指定席に乗ったほうが、普通に自由席に乗るより安くすみます。
乗車券と特急券を切り離せない
えきねっとトクだ値は乗車券と特急券がセットになって販売されています。特急券だけを買うことはできません。
また、乗車券の区間を変えたりすることもできません。
例えば、浦和から仙台まで乗車する場合は、普通であれば浦和から仙台市内までの乗車券を買えますが、えきねっとトクだ値を利用する場合は、大宮から仙台市内のきっぷになってしまうので、浦和から大宮までは別に乗車券を買うことになります。
途中下車ができない
普通の買い方だと、特急券部分は途中下車ができませんが、乗車券部分については途中下車が可能な場合があります。
ですが、えきねっとトクだ値の場合は途中下車が一切不可能です。つまり、途中の駅で一旦改札口を出た後で旅行を再開するような使い方はできません。
途中の駅で降りて、その先の区間の乗車を放棄することは可能です。
利用できる区間が限られている
えきねっとトクだ値が利用できる区間は細かく決められています。
例えば、はやぶさ号で東京~仙台間を乗車するときは利用できません。特に利用率の高い区間は割引がなかったり、割引率が低かったりすることがあります。これが、東京~新青森間となると、お先にトクだ値の25%割引の設定があったりします。
東京~仙台間であっても、やまびこ号であれば、お先にトクだ値の35%割引の設定があります。このように利用する区間や列車によって状況が違いますので、それらの把握をするのが少し面倒です。
利用したい区間に設定がない場合でも、少し区間を長くすれば設定されている区間があることがあります。
例えば、中央本線のあずさ号を利用する場合で、八王子駅発着の区間ではトクだ値の設定がありません。
こういう場合で、八王子から松本まで利用したい場合は、少し区間を長くして新宿~松本間で調べると、トクだ値の設定があります。八王子から松本までの定価は5,650円しますが、新宿から松本までの場合はトクだ値30が利用できて4,620円で済みます。
途中の駅から乗り始めることは全く問題ないので、利用する区間に設定がなかったとしてもこういった使い方も可能です。同様に、きっぷの着駅まで乗らずに途中の駅で降りることも可能です。この場合は、降りた駅できっぷは回収されます。
このような乗り方を「内方乗車」といいます。特に、途中の駅で旅行をやめることを「前途放棄」とも言います。乗らない区間は権利を放棄する形になります。
発売数が限定されている
トクだ値として発売される席数は限られています。トクだ値の分の座席が売り切れてしまったら通常の値段のきっぷを買う必要があります。
結構前から予約しておかないといけない
乗車する当日に気まぐれで買えるきっぷではありません。前もって旅行の計画をしっかりと立てておく必要があります。また、人気の列車は早めに発売数が終わってしまうこともあるので、できるだけ早く予約しないといけません。
きっぷ受け取り後の変更ができない
普通のきっぷであれば、購入後に予定が変わっても1回に限り他のきっぷに変更することができます。しかし、えきねっとトクだ値で買ったきっぷは、駅で紙のきっぷを受け取ったあとの変更が一切できません。予定を変更して1本前の列車に乗ったりすることもできません。乗り遅れた場合は無効になります。また、自由席の利用もできません。
たかく
使い方によっては、列車の変更ができないと不自由に感じることもあるかもしれません。しかし、約束の時間を守りさえすれば安く済むわけですから、安く旅行したい人にとってはありがたい仕組みです。
きっぷ受け取り後のキャンセル料が高い
普通のきっぷであれば、払いもどし手数料は乗車券が220円、指定席特急券が340円の合計560円です。
しかし、えきねっとトクだ値で買ったきっぷを、受け取り後に払いもどすと、割引率分の手数料がかかります。たとえば、トクだ値で35%引きの値段で購入したきっぷは、発売額の35%の手数料がかかります。
たとえば、東京~仙台間のやまびこ号のトクだ値35を払い戻す場合は、
発売額が7,200円で、割引率が35%ですので、7,200 × 0.35 = 約2,520円(正確には乗車券部分、特急券部分についてそれぞれ10円未満切り捨て)
が払い戻し手数料になります。これは通常に比べて4倍以上も高いです。
トクだ値のきっぷを受け取った後は、なるべくキャンセルしないようにする必要があります。
乗り遅れた場合の救済措置がない
普通のきっぷであれば、指定された列車に乗り遅れた場合は、当日中の後続の列車の自由席に乗ることができます。しかし、えきねっとトクだ値で購入したきっぷは、乗り遅れた場合は特急券が無効になり、後続列車に乗ることすらできません。
乗車券部分はそのまま使えるので、特急券部分を改めて購入することになります。特急券は数千円するので、結構痛いです。
発車6分前までならセーフ!トクだ値で乗り遅れそうなときは往復割引がきかない
普通のきっぷであれば、片道601キロを超える区間を往復する場合に乗車券が1割引きになります。
しかし、トクだ値には往復割引がありません。
乗継割引がきかない
普通のきっぷであれば、新幹線と在来線の特急を乗り継ぐ時に乗継割引が適用されます。トクだ値ではこれが効きません。
乗継割引は在来線の特急料金が半額になるもので、割引額が大きいです。トクだ値を使うよりも普通に乗継割引を使ったほうが安くすむ場合もありますので、よく考えて買う必要があります。
学割が使えない
大学生の方であれば学割を使って旅行をする方も多いと思います。えきねっとトクだ値を利用する場合は学割の設定はありません。
学割では乗車券部分が2割引きになりますが、えきねっとトクだ値は特急券部分も含めて割引になりますから、学割で乗るよりも安く済むことが多いです。
きっぷの受け取り場所に制約がある
えきねっとで予約したきっぷは乗車する前に、駅で紙のきっぷに引き換えないといけません。この引き換えはJR東日本とJR北海道、それから北陸エリアのJR西日本の駅でしかできません(例えば名古屋駅や新大阪駅では受取ができない)。
ただ、えきねっとトクだ値を利用する場合は、全区間が対応エリア内ですので、あまり深いことを考えなくても大丈夫です。
基本的には乗車する駅で受け取れば何の問題もありません。
まとめ
えきねっとトクだ値を利用すれば、お得に新幹線などに乗ることができます。
割引のある区間を調べたりするのが多少面倒で、事前に予定を立てておかないといけませんが、それらのデメリットを埋め合わせるだけのお得感があります。
いままで定価でしか乗ったことがないという方も、ぜひ会員登録をしてお得感を味わってみてはいかがでしょうか。
参考 えきねっとトクだ値:えきねっと限定のおトクな割引きっぷえきねっと(JR東日本)あわせて読みたい
発車6分前までならセーフ!トクだ値で乗り遅れそうなときは短距離で新幹線に乗る場合は、トクだ値の設定がない場合があります。その場合はWきっぷというものが利用できる区間があります。
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