あんな
たかく
長時間の鉄道旅行は退屈でうんざりすると思っている人が大勢いるようです。
私に言わせれば、そういった状況になってしまうのは、旅行についての考えかたについて大きな誤解があり、そのおかげで行程の立て方が間違っているせいだと思います。
青春18きっぷは苦行なのか
あなたは「列車で8時間かかります」と言われたらどう感じますか。
大半の人は「ありえない!」とか「そんなの嫌だ!」って思うのではないでしょうか。私だってそんな苦行のようなことはいやです。8時間といったら1日の活動時間まるまるですから、そんな長時間乗り物の中に閉じ込められるなんてうんざりです。
東京から大阪まで青春18きっぷを使って移動すると大体9時間くらいかかります。もはや1日の労働時間を超えています。でも、そんな旅行でも私は全く苦痛に感じないことができます。これからその方法をお教えしましょう。
集中力は2時間が限度
新幹線を選ぶか飛行機を選ぶかという時に、3時間の壁というものが存在すると言われています。つまり、列車での所要時間が3時間までであれば列車に乗るほうが多数派で、それを越えると飛行機を選ぶほうが多数派になるということです。
新幹線に乗るか、在来線で十分と考えるかも、3時間の壁があるのではないでしょうか。
そもそも人間の集中力が続くのは2時間が限度と言われています。大学の授業は1時間半くらいが普通で、映画も大体2時間位のものが多いのはこのためです。
したがって、列車に乗るのも2時間位が限度なのが普通です。
目的をこまぎれにしよう
問題の解決法はかんたんです。8時間乗らなければいけないとしても、2時間ごとに区切って考えてしまえばよいのです。区切るというのは、目的地をその都度リセットするということです。
東京から大阪を目指す例で説明します。
とりあえず、大阪に向かっているということを忘れましょう。まずは2時間かけて熱海を目指すのです。といっても熱海に何の目的もないのであれば、熱海を目指す気にもなりませんから、とりあえずの目的を作っておきましょう。例えば、熱海の温泉街の商店街をぶらつくのが手軽で良いかもしれませんね。
熱海駅には何がある?熱海駅途中下車ガイド次は2時間かけて浜松を目指します。浜松では昼食にうなぎなんかを食べるのが良いでしょう。名古屋では日本一高い駅ビルを見て回るのが良いかもしれません。そんな調子で次々に目的地を変えていけば、いつの間にか大阪に着いています。
結局余計に時間がかかるけど
いつの間にか、と言いましたが、一目散に大阪を目指していれば9時間で着いたところを、寄り道したおかげで12時間かかっているかもしれません。でも、12時間かけて旅行したほうがあっという間に感じるのですから、人間の感覚とは不思議なものです。
つまり、いかに充実した時間を過ごせば良いのか、という問題なのです。
慣れてくれば、途中下車以外にも道中の楽しみ方があることがわかります。
例えば車窓から富士山を見るというのは降りなくてもできることです。熱海付近の相模湾、富士山、浜名湖など、名所はたくさんあります。ちなみに、琵琶湖はほんの一瞬しか見えないので、見えないと思っている人も多いかもしれません。
川を渡る地点も多数あるので、あらかじめ地図でどんな川があるかを調べておいて出かけるのも楽しいですね。「越すに越されぬ大井川」の河原の広大さには圧倒されます。
まとめ
交通機関による旅行では、乗っているだけで連れて行ってくれるという意識が働いてしまいます。本来楽しいはずの旅の過程を「待ち時間」としか思っていない人が多いのではないでしょうか。
8時間待たされるのは苦痛ですが、8時間旅行するのは大変楽しいものです。ぜひ、主体的に道中を楽しむすべを身に着け、充実した旅行を楽しんで下さい。