目的地までの距離と、許容できる時間に応じて、旅の手段も変わってきます。鉄道で旅をするにあたって、日本という国がどのくらいの広さなのか確認してみましょう。
在来線の普通列車
鉄道の列車の中で一番おなじみなのが、在来線の普通列車ではないでしょうか。毎日お世話になっているという人もいると思います。一般的に在来線の普通列車は最高速度が90~130 km/hくらいで、停車時間諸々を考慮した平均時速(これを表定速度と呼ぶ)は50~70 km/h位になります。これで旅行するとどういう具合になるのか考えてみましょう。
東京を起点に考えると、熱海や宇都宮くらいが片道2時間圏内となります。普通の人は2時間くらいが限度と考えて、これより遠くなると新幹線を選ぶ人が多くなります。
もう少し足を伸ばすと、名古屋が6時間、大阪が9時間、岡山が12時間、広島が15時間、丸1日19時間乗ると山口県の厚狭(あさ)まで行くことができます。北を目指した場合は、仙台が7時間、盛岡が11時間、青森が15時間です。その先の北海道には新幹線を使わないと行けません。
果てしなく時間がかかるように思えるかもしれません。でも、2日あれば日本中だいたいどこでも行けます。(北海道の奥地なんかは3日目に突入してしまうところもあります…)これには色々考え方があると思いますが、私は案外早いんじゃないかと思っています。それこそ、自転車や徒歩で旅をしている人もいるわけですしね。
JRは教えてくれない、新幹線と18きっぷ旅行のちがい新幹線
いまや北海道から九州まで新幹線でつながりました。鉄道旅行というと新幹線を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。新幹線の最高速度は260~320 km/hで、表定速度は200~260 km/hです。
東京を起点に考えると、片道2時間圏内は京都や仙台あたりになります。新幹線はだいぶ快適ですから、もっと遠くでも利用する人が少なくありません。片道3時間の岡山、八戸あたりで、飛行機に流れる人が目立ち始めます。片道4時間の広島、函館あたりでは飛行機を利用する人のほうが多くなると言われています。
では最果てまで行くとどのくらいかかるのでしょうか。東京から鹿児島中央まで、6時間半かかります。せっかく線路は東京から鹿児島までつながっているのに、全区間を通して走る列車は1本もありません。途中の新大阪か博多で乗り換える必要があります。この距離を乗り通す物好きは少ないのだろうと思います。
北海道は函館までしか新幹線がないので、そこから先は在来線特急に乗り換えるとして、東京から札幌までは8時間かかります。北海道の果てまで行こうとすると、丸一日費やすことになります。
いくら鉄道が発達していると言っても、日本はこれだけ広いわけです。なんだかロマンがあふれ出てきますね。
飛行機
鉄道による旅行を勧めておきながら飛行機の話が出てくるのは変かもしれませんが、比較ということで引き合いに出しておきます。飛行機の速度は800~900 km/hです。実は日本中どこでも、片道2時間あれば行けてしまいます。
東京~福岡や、東京~札幌などは航空機がかなり便利なので、ドル箱路線となっています。格安で乗れるLCCなどもありますので、この区間などは新幹線よりも安く旅行できます。こうなってくると鉄道党の私でも鉄道を諦めることもしばしばです。
東京都内から札幌市内にLCCで行くときは青春18きっぷが使えるまとめ
旅の様相は利用する乗り物によって大きく変わって来ます。日本列島の大きさも、乗り物次第で大きくも小さくもできるのです。最終的には時間と財布との相談になりますが、できるだけ自分のコンセプトに合った乗り物を適材適所で組み合わせて行くと良いですね。
私は日本中を普通列車で旅することもあれば、飛行機でひとっ飛びということもあります。