あんな
たかく
指定席特急券を買ったけれど、やっぱり自由席に乗りたくなった場合は、そのまま乗っても良いものなのでしょうか?
実はそのまま乗ることはできないのです。どうやって変更の手続きをすればよいのでしょうか。
もくじ
指定席特急券で自由席に乗ることはできません
原則として、指定席特急券で自由席に乗ることはできません。
指定席特急券は指定された列車の指定された座席に限って有効という決まりがあります。自由席よりも高い料金を払っているのだから、という理屈は通用しません。
旅客営業規則 第172条 急行券の効力
指定急行券を所持する旅客は、その券面に指定された乗車日、急行列車(中略)、旅客車、座席及び乗車区間(中略)に限って乗車することができる。
たかく
あんな
乗車変更もできない
指定列車の発車時刻まで時間があるのであれば、別の列車に変更することができます。
ただし、ここで一つ問題があって、指定席から自由席への変更はできないという決まりがあります。
JRのきっぷは同じ種類のきっぷであれば、1回まで変更できます。この手続きを「乗車変更」といいます。変更前後のきっぷに差額があれば、過剰額は払い戻し、不足額は支払いになります。
同じ種類のきっぷとは、自由席特急券は自由席特急券へ、指定席特急券は指定席特急券へ、という変更です。
このほか、自由席券から指定席券への変更が許されているのですが、逆はできません。
つまり、指定席特急券を持っている場合で、やっぱり気が変わって何かしらの列車の自由席に乗りたくなった場合は、そのまま乗ることもできないし、「乗車変更」も利用できないということです。
これは困りました。ではどうすればいいのでしょうか。これは個別のケースによって対処法が変わります。
変更先の指定席が満席の場合
変更先の列車が満席だったのでやむを得ず自由席に、ということがあります。
実はこういう場合はJRも想定していて、満席の列車に限り、指定席から自由席への変更が例外的にOKになります。
つまり、この場合はみどりの窓口へいって変更の手続きをしてもらえばいいということです。
ただし、このような取り扱いをしていることをあまり大々的な公表をしていないようですので、裏技的方法と言えます。
指定された列車に乗り遅れた場合
指定された列車に乗り遅れた場合、指定席特急券は無効になってしまいます。
ところが、乗り遅れた場合でも、当日中の後続の列車の自由席に乗ることが許されています。
つまり、同じ区間で、指定された列車よりも遅い時間の列車の自由席に乗りたい場合は、変更の手続きなく乗車することができます。
参考 きっぷの変更 指定の列車の乗り遅れきっぷのルール:JRおでかけネット乗り遅れたわけでも満席なわけでもない場合
上記の2つの場合に当てはまらない場合は、一旦払い戻して買い直す形となります。
乗車2日前までの変更であれば、払い戻し手数料は340円です。
指定席と自由席の差額は基本的に330円~730円なので、払い戻し手数料を差し引いたとしても、返金額が発生します。
問題は前日以降の変更です。この場合、払い戻すのに特急料金の30%が手数料としてかかります。これを免れる方法としては、「わざと乗り遅れる」という手段があります。乗り遅れた場合は後続の列車の自由席に乗ることが許されています。
指定列車より前に発車する列車の自由席に乗りたい場合は、諦めるか、払い戻し手数料30%を負担するかのどちらかになります。
払い戻し手数料を節約する方法については以下の記事を参考にしてください。
基本から裏技まで!特急券が不要になったときの手続き
区間が同じなら変更しなくてもOK?
実際問題、指定席特急券でその列車の自由席に乗れないというのはちょっと厳しすぎるような気もします。同じように考える人はいっぱいいるようで、現場の判断で認められることもあるようです。
原則的には禁止されていることを頭に入れた上で、係の人に乗ってもいいかを尋ねてみると良いでしょう。
どうしてこんなに厳しいのか
指定席特急券は自由席特急券よりも高い料金を払っているのに、自由席に乗れないというのはおかしいと思う人もいるかも知れません。
ですが、これを認めてしまうと、1人分の料金で2人分の座席が専有されてしまうことになってしまいます。なるべくなら乗らない指定席はキャンセルしてほしいというのが鉄道事業者側の考えです。
また、指定席から自由席への乗車変更を認めてしまうと、払い戻し手数料などの条件が旅客に有利な方向に緩和されてしまうので、認めたくないという考えがあります。